HOME 人事労務トピックス 医療 社会不安障害による労働損失は、1兆5000億円

社会不安障害による労働損失は、1兆5000億円

 社会不安障害(Social Anxiety Disorder、通称SAD)とは、人前で話したり行動することに強い不安や恐怖を感じ、赤面や震え、発汗などの症状を起こす疾患のことを指します。一般的には「あがり症」とも呼ばれていますが、決して性格上の問題ではなく、脳の神経伝達物質のバランスが原因で発症するものであることはあまり知られていません。  昭和大学の亀井美和子教授(社会薬学)の試算によると、このSADによって労働力が失われることによる損失の額は、1年間で1兆4975億円にも上るとしています。教授はSAD患者の就労困難性に注目し、20歳から60歳までの患者と一般の賃金を比較しました。患者では会社員が最も多く、中でも技術職に携わる人が半数近くを占めることを明らかにしました。  亀井教授は「残念ながら、日本においてSADの治療率はきわめて低いのが現状」と述べ、約1年間の投薬(保険適用製薬)による治療が可能であることから「一般のイメージとは違って1日にかかる治療費は安く、治療に関する費用対効果は高い」と、SADの早期治療を呼びかけています。