人的資本経営特集

 

人を活かし、企業価値を高める「人的資本経営」

—企業が持つべき視点と取り組むべきポイント—

 

多くの企業が本格的にシフトし始めた「人的資本経営」

近年の日本では少子高齢化の影響で生産年齢人口が1999年をピークに減少し、2056年に5,000万人と企業の「人手不足問題」がますます深刻化していくことが予想されています。

黒字でも事業を維持していくための人手を確保できず、「人出不足倒産」に追い込まれる企業も出てきています。

特に、「中小企業の70%は人手不足を実感している」というデータもあることから、この「人手不足問題」は無視できない状況です。

こういった状況を打破しようと、今、企業規模かかわらず多くの会社が「人的資本経営」にシフトし、本格的に推進し始めています。

 

従来の経営と「人的資本経営」はどう違う?

人的資本経営とは、企業で働く従業員を“資本”、つまり“財産”として捉えて積極的に投資していくことで、持続的な企業価値の向上を目指す経営手法のこと。

従来の経営は人材を「資源」として捉えているのに対し、人的資本経営の考え方では人材を「資本」とみなしています。

また、従来は年功序列や終身雇用による人材の囲い込みが起きていましたが、人的資本経営では組織と人材が互いに選び合う自律的な関係を前提としています。

さらに、従業員の成長促進と適切な組織改革を行うことにより、事業の市場のみならず、労働市場・金融市場から選ばれる企業になっていくことにあります。

そのためには、自社の目指す望ましい人的資本の姿と現状のギャップをデータで把握し、そのギャップを徐々に埋めながら、企業価値を高めていく必要があるのです。

労働力人口の減少が顕著である日本においては、人的資本を源泉にして価値を生み出すマネジメントを行っていくことはすべての企業にとっての命題といえます。

 

人的資本経営時代に求められる「自律型人材」

人的資本経営時代においては、企業と従業員(個人)の関係も大きく変化します。

企業は組織の歯車としての人材を求め、従業員はその役割に自分を合わせていたのが、従業員の自立や活性化を促すべく、企業は従業員に活躍・成長支援をし、従業員は自主自律で、それに応えて組織に貢献していく、そのような関係性に変わっていきます。

企業は、自ら考え主体的かつ能動的に業務を遂行できる自律型人材を育成し、そして自律型人材が活かせる組織へと変革していく必要があるのです。

従業員自身も意識改革が求められます。

 

「人的資本経営」はどう進めていく?

「人的資本経営」というキーワードが注目されつつある中、日本は海外に比べ取り組みが遅れたこともあり、その重要度自体は企業サイドに認識されつつあるものの、安定的な取り組みにまで至っているケースは未だ少ない状況といえます。

また、「人的資本経営」を進めていくには、重要テーマと認識し、しっかりと理解、取り組みたいと考えている企業、ビジネスパーソンは多いと考えられますが、膨大な行政資料・公的資料、関連書籍が存在し、全体像の把握や何から取り組んでよいか、わかりづらくなっているのが実情です。

そこで本特集では、「人的資本経営」を実践していく上で参考になる情報やセミナー、有識者のコラム等を随時発信していきます。

 

最新セミナー  NEW!

【8/5参加無料オンラインセミナー】2025年施行 改正育児介護休業法等と人的資本経営

「2025年施行 改正育児介護休業法等」を人的資本経営の観点から徹底解説!

法改正の主要なポイントと人的資本経営の最新動向を踏まえ、法改正が企業経営にもたらす影響や、育児介護支援策が人的資本情報開示においてどのように位置付けられるのか、ダイバーシティ施策が人的資本価値の向上にどうつながるかなど、企業規模問わず使える視点で多角的に分析してお伝えします。

あわせて、企業が取るべき新たな人材育成・定着戦略の立案方法についても具体的にご提案いたします。

企業の人事労務担当者や人材戦略担当者、経営企画部門の担当者はもちろん、中小企業の経営者の皆様に有益な情報提供となりますので、ぜひご参加ください。

詳細・お申し込みはこちら

 


メリットの大きい「人的資本」の情報開示とは?

2022年8月に、政府から人的資本の情報開示における指針(人的資本可視化指針)が公表され、そしてまた、2023年3月期決算以降、約4,000社の上場企業などを対象に「人的資本」の情報開示が義務化されました。

そのため、人的資本経営は「上場していない企業には関係ない」「中小企業だから取り組んでもメリットがない」と感じる方が多いかもしれません。

次の図をご覧ください。人的資本経営を実践していくにあたり重要な法律や施策などを企業規模別に整理したものです。

※2025年4月より、育児介護休業法における、男性労働者の育児休業取得率等の取得状況の公表義務の対象が常時雇用する労働者数が300人超の企業に拡大されます。

「女性活躍推進法」「次世代法」「若者雇用促進法」などは中小企業(=常時使用する従業員数300人以下)も対象となっており、これらに取り組むことは結果的に「人的資本経営を実践している」ということになるのです。

これらの取り組みは「女性の活躍推進企業データベース」や「両立支援のひろば」「若者雇用促進総合サイト」などに公表することができるのですが、サイトに公表したり、「えるぼし」「くるみん」などといった“認定”を受けるメリットには下記のものがあります。

 <メリット>

 

  • 企業イメージ(ブランド)が向上する
  • 社会的な信頼度が増す
  • 優秀な従業員の採用・定着を図ることができる
  • 業界内・地域内での自社の位置づけの確認ができる
  • 求職者や学生に自社の取り組みの訴求ができる
  • 公的資金調達や金利などで優遇が受けられる etc.

「人的資本」の情報開示について、上場企業だけでなく中小企業にとっても取り組むメリットが大きいといえます。


人的資本経営の知恵

人的資本経営に詳しい専門家コラムを掲載しています。自社の対応を検討する際や体制づくり等にお役立てください!

人的資本経営から考える中小企業の人材不足の解決策<前後編> 

執筆:社会保険労務士・アクシス社労士事務所 代表 岡田勝義

人手不足の解決策について、前後編にわたって解説していきます。前編では、「流出減施策」と「流入増施策」の二つについて、後編では、この二つの施策のゴール設定と、ゴールを目指す取り組みとして、「自社のいいところを把握する」、「人材のどこに投資すべきか」を可視化する具体的手法についてご紹介していきます。

関連コラム

 

人的資本経営の推進が企業ブランド力の向上に直結する 

執筆:米澤社労士事務所 代表 米澤裕美

多くの企業が優秀な人材の獲得に苦労している一方で、人材が集まっている企業も存在します。この差は何によるものでしょうか?

人材が集まる企業の特徴は、人材採用の課題に対応するためだけでなく、自社のブランド力を高めるためにも、積極的な広報活動を行っています。特に「人的資本経営」の考え方が注目され、企業の働き方や文化がブランド力の向上に直結しているともいわれます。

これは、優れた人材を引き付けるだけでなく、市場での競争力を高める要因ともなっています。

 

2024年の法改正や政策を人的資本経営の観点から解説。あらゆる企業で人材戦略の検討が必須に 

執筆:フォレストコンサルティング経営人事フォーラム 代表 松井勇策

2024年の雇用関係の法改正は政策の傾向は、全体を見ると、変化する社会の中での個々の企業や個人の持続性を増大させ、多様化する社会的なニーズに応えられる状態を目指すものであると言えます。

特に、「人的資本経営に基づく戦略/実質賃上げ」「多様な働き方の推進と働き方改革の徹底」を基調とした法改正や政策に大きく分けられます。

 

求人票からできる中小企業の人的資本開示のポイント 

執筆:こだま社労士オフィス 代表 社会保険労務⼠ 兒玉有美子

人手不足の状況下でどうにかして良い人材を採用したいという企業側の大きな意識変化により、中小企業に「ある変化」が起きています。これは企業が人的資本の重要性を認識し、人的資本開示へのステップを踏むきっかけになっていくと考えます。優秀な人材の獲得を目的として、人的資本開示を推進していきましょう。人的資本開示を発展させるためのポイントを3つご提案いたします。

 

 

人的資本経営の専門家によるコラム

 

 

 

 

 

 

 

※画像をクリックする各コラムの第1回記事に移動します


米澤裕美氏×岡田勝義氏対談「人的資本経営をもっと身近に。自分ごとにしよう!」

社会保険労務士、ISO 30414リードコンサルタントとしても活躍される米澤裕美氏と、弁理士と社会保険労務士のダブル資格で、無形資産の専門家として活躍される岡田勝義氏にご登場いただき、企業価値の無形資産である、人的資本と知的財産への投資が企業成長にどのように寄与するかに焦点を当てて対談いただきました。

◆対談「新商品サービス開発に人的資本経営を当てはめる!」もくじ

  • 人的資本+知的財産=無形財産
  • 発明の現場には多様性が求められる
  • イノベーションを生み出す職場づくりとは
  • 商品開発から見た経営戦略と人材戦略の連動
  • イノベーションを支える職務発明規程
  • 一人ひとりが学び、幅を広げていくことが人的資本経営につながる 

 ◆◆対談内容はテキストでもお読みいただけます◆◆

新商品・サービス開発を人的資本経営に当てはめる!<前編> 

新商品・サービス開発を人的資本経営に当てはめる!<後編> 


【連載】人的資本経営のヒント

第13回 「積立休暇制度」を導入すると従業員のエンゲージメントUP!魅力ある職場づくり推進奨励金を申請できる可能性も 

第12回 「特別休暇」を導入して従業員エンゲージメントUP!助成金獲得の可能性も  

第11回 優秀な人材の確保・定着を図れる!「多様な正社員制度」について 

 

 

過去のコラムはこちら

 

関連記事


会員限定動画

2023年3月決算期「有価証券報告書」から得た人的資本開示の最新知見レクチャー  

講師:フォレストコンサルティング経営人事フォーラム代表 松井勇策 

2023年3月決算の「有価証券報告書」を500社超精読した“人的資本経営のスペシャリスト”松井勇策氏に、人的資本の開示に関する最新知見についてレクチャーいただく約40分の動画です。

最新情報として、ノーベル経済学賞を受賞し話題となっている、アメリカ・ハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授の男女賃金格差研究について、受賞の背景や、本研究が人的資本経営にどう影響しているのかについてもポイントを解説いただいています。

【2023年10月30日に開催したセミナー録画を一部編集して掲載】

視聴はこちら

※無料会員登録の上ご視聴ください

 

生成AIがもたらす働き方の変化と人的資本経営 

講師:フォレストコンサルティング経営人事フォーラム代表 松井勇策 

ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な進化は、組織における人材の役割と働き方を大きく変化させる可能性があります。

本セミナー動画では、生成AI時代における組織のあり方、人的資本経営の視点を経営戦略に組み込むことで、組織の競争力向上とリスク管理の両立を図りながら人材価値の最大化を目指す方法を紹介します。

【2023年8月8日に開催したセミナー録画を一部編集して掲載】

視聴はこちら

※無料会員登録の上ご視聴ください


人的資本経営を学べる学習・研修コンテンツ

人的資本経営の基礎知識と推進にあたっての実務力を認定する検定試験「人的資本経営検定®BASIC」

本サイト「かいけつ!人事労務」を運営するブレインコンサルティングオフィスが創設した、人的資本経営の基礎知識と推進にあたっての実務力を認定する検定試験です。

人的資本経営の基本概念、各法令及び国内外の指標で求められる内容や実務で活かすポイントまで、人的資本経営を実践していく際に必要な一通りの実務の基礎を習得できます。

  • 人的資本経営について学びたい
  • これから人的資本経営を実践していきたい
  • 人的資本経営に必要な実務の基礎を習得したい
  • マネジメント層に人的資本経営を浸透させたい
  • 社員教育の一環として人的資本経営を導入したい

このような思いを持っている方におすすめです。

「検定」と名前がついていますが、“落とす検定”ではなく学びを重視している検定のため、広く誰でも受験しやすいよう、「WEB講義+WEB試験の一体型」の形式を取っています。

試験委員長は、株式会社リクルートにて広報・組織人事コンサルティング、のち経営管理部門でメディア企画統括・法務・監査・ITマネジメント等に関わるご経験を持つ、人的資本経営のスペシャリスト・松井勇策氏。

広くビジネスパーソンが人的資本経営の知識をスムーズに身に付けられるよう、実務上の要素をふんだんに盛り込み、充実したコンテンツとなっています。

詳細・お申し込みはこちら 

企業の受験者の皆様の声


オンデマンド配信

「2年先を見据えた人事戦略と「年収の壁」対策 ―人的資本経営の視点で考える-」セミナー

先般発表された「年収の壁・支援強化パッケージ」は、短時間労働者の収入を増加させる取り組みを行った企業への助成を2年間行う政策ですが、何の戦略もなく導入・活用してしまうと、助成のなくなった2年後、企業の人件費(給与・社会保険料負担)は増し、厳しい状況に置かれる可能性があります。

しかしながら、人的資本経営の視点からこれをチャンスをとらえ、2~3年先を見据えた人材戦略を構築し、推進していくことで、生産性の向上、業務効率化、さらには持続的な企業の発展につなげていける政策でもあります。

徹底解説!「年収の壁」対策と実務セミナーと題して、全3回にわたって開催するセミナーの第1回に、人的資本経営のスペシャリスト・松井勇策氏にご登壇いただきました。

「年収の壁・支援強化パッケージ」の概要を押さえた上で、「人的資本経営」の手法を使った短時間労働者を含めた中長期的な人事戦略の立て方、また「年収の壁・支援強化パッケージ」の効果的な活用法などをぎゅっと60分に凝縮して解説いただいています。

経営を担う方、人事労務部門・管理職の方、人事戦略について関心の高い方など多くの方に聞いていただきたい内容となっています。

※徹底解説!「年収の壁」対策と実務セミナー<全3回>の第1回目となります。

詳細・お申し込みはこちら


「働き方ブランディングから始める人的資本経営」セミナー

本特集でもコラムをご執筆いただいている、『士業のためのセルフブランディング』などの著作を持つ特定社会保険労務士・働き方ブランドコンサルタントの米澤裕美氏によるセミナーです。 

米澤氏は、ブランド・マネジャーやブランド概論について複数の場で学び、その知識やスキルなどを活かし、現在は、企業の社内外ブランディング支援もしているブランディングのスペシャリストでもあります。

本セミナーは「優秀な人材を確保・定着させたい」「ブレのない一貫性をもった企業ブランドを作っていきたい」企業様必見! 特に中小企業の皆様に、これからの人材獲得競争に打ち勝つための戦略として、知っていただきたい内容となっております。ぜひご視聴ください。

 

詳細・お申し込みはこちら


「中小企業だからできる人と組織を活かす経営」セミナー

中小企業ならではの強みを活かし、人事が中心となって、規程を活用しながら自由にアイデアを出し合えるような雰囲気づくりを行うことで、いまあるメンバーでもイノベーションを生み出すことが可能です。

本セミナーでは、イノベーションのベースとなる人的資本経営について、一つひとつ分解して見ていくとともに、実際に講師の社労士&弁理士の岡田勝義氏の関与先企業で大きな効果を上げている、職務発明規程を軸にした仕組みづくりと、その運用のポイントについて解説していただいています。

  • 採用難に悩んでいて、何かヒントを得たい
  • 職場の雰囲気が停滞気味で社内の活性化策を模索している
  • 現場の社員の意見を吸い上げるような仕組みを知りたい
  • 人的資本経営の具体的な事例が知りたい
  • イノベーションを生み出せる企業風土をつくりたい

・・・このような企業様必見のオンデマンド配信セミナーです。

詳細・お申し込みはこちら


人的資本経営のことがもっとわかる!関連コンテンツ

Let’s try! 「人的資本経営」10問テスト

人手不足や働き方の多様化を受け、いまある人材の知識・能力・意欲を高め、企業成長につなげようと、人的資本経営に取り組む企業が増加中! 人的資本経営はすでにニュース・メディア等の頻出ワードとなっており、ビジネスパーソンとしては最低限の用語や知識は押さえておきたいところ。

そこで確認です。あなたは人的資本経営のことをどれだけ知っていますか? 超基本の10問にトライしてみましょう!

「人的資本経営」10問テストはこちら


Xで人的資本経営に関するニュースや関連情報を発信中!

「かいけつ!人事労務」編集部では、SNSで日々人的資本経営の情報を発信しています。人的資本経営に関連したニュースや知識クイズ、セミナ―情報などやゆる~くつぶやいています。よろしければ、Xアカウント「人的資本経営検定(@hcm_e_kentei)」をフォローしてくださいね!


動画解説シリーズ【教えて!松井先生】~ニュースでよく聞くビジネスワードをわかりやすく解説~

経営者や人事担当者のみならず、社会人なら必ず知っておきたい、ニュース等で頻出のビジネスワードをやさしく解説するコーナーです。

解説いただくのは、国内の人事労務関係の法制度、雇用政策や人事制度全般、国内外の人的資本経営について深い知見を持ち、かいけつ!人事労務でもおなじみのフォレストコンサルティング経営人事フォーラム代表の松井勇策先生です。

解説動画は、定期的に更新中!ぜひご視聴ください。

視聴はこちら

 

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