仕事と介護の両立支援特集

 

2025年に団塊の世代が全員75歳以上に。大介護時代は目前に迫っています

 少子高齢化の進行を背景に、介護を抱えながら働く方々が増えています。

 2023年7月21日に総務省が公表した「令和4年就業構造基本調査」結果によると、過去1年間に家族の介護や看護を理由に離職した人は10万6,000人。

 経済産業省は、ビジネスケアラーが2030年には約318万人、離職や労働生産性の低下などによる経済損失額は9.1兆円と推計しており、仕事と介護の両立支援に向けた取り組みの促進等や、介護にかかわる社会機運の醸成に取り組むと発表しました。

 厚生労働省でも今年度、介護離職防止に取り組む企業への助成金を拡充。家族介護者支援のための施策に着手するなど、すべての団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる大介護時代を乗り切るために、国もいよいよ本格的に仕事と介護の両立支援に乗り出しました。

 

仕事と介護の両立支援環境は整っていますか?

 介護は誰もが直面する可能性のある問題です。

 しかし、いざ直面したとき、離職せず働き続けていくには、個人の力だけでは難しく、職場や上司の理解、会社の両立支援体制等が必要不可欠になります。

 次のようなデータをご存じでしょうか。

 

  • 働きながら介護を担っている人の約8割が40~60歳代
  • 40~50代正社員の約4割が「今後5年間で親の介護の可能性がある」
  • 介護をしながら、今の会社で仕事を「続けられないと思う」「続けられるかわからない」で77.4%

出典:厚生労働省「企業における仕事と介護の両立支援実践マニュアル」

 ここからわかるのは、介護をする人の多くが、中堅社員、管理職等、職場の中心的役割を担う世代だということです。

 特に中小企業や労働集約型事業を行う企業、中堅層の厚い企業では、こういった貴重な人材を介護離職で失うことは、業績に大きく影響する可能性もあるため、できるだけ避けたいと考えていらっしゃるのではないでしょうか。

 介護離職者を対象にした調査ではこのようなデータもあります。

 

  • 介護離職経験者が介護を機に仕事を辞めた理由の第1位が「仕事と介護の両立が難しい職場だったため」59.4%
  • 介護を始めてから、介護のための勤務先の制度の利用状況は「利用していない」が最も多い
  • 勤務先制度を利用しなかった理由は「介護休業制度等の両立支援制度が整備されていなかったため」が最も多い

 出典:厚生労働省「仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業(令和元年度)」

 つまり、介護休業や介護休暇制度など法定の制度を単に導入しただけでは、介護離職は止めることができないのです。

 では、どうすれば、「介護があっても働き続けられる職場」を実現できるのでしょうか。

 本特集では、会社の必須対策となった「仕事と介護の両立支援」について、さまざまな角度から取り上げていきます。

 

仕事と介護の両立支援コラム

介護に関する知識や、真に実のある両立支援体制づくり等について、介護にかかわる各専門家によるコラムを順次掲載していきます。

仕事と介護の両立支援の専門家:一般社団法人日本顧問介護士協会 代表理事 石間洋美氏コラム

 第1回:ある日突然やってくる「介護」。介護はこんな感じで始まる

 第2回:働く人の誰もが介護者となり得る中、「何」を備えるのか?

 第3回:介護が必要になる原因として上位に挙げられる「認知症」。どう向き合うべきか?

 第4回:在宅生活or施設入居、どちらを選ぶ? 短期間で決断に迫られる「介護」

 

人事担当者が知っておきたい介護の重要ワード

仕事と介護の両立支援体制づくりを進めていく上で、人事担当者が最低限押さえておきたい介護の用語をピックアップして紹介します。

地域包括支援センター

介護・福祉に関する、地域の「よろず相談所」。
保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーといった専門知識を持った職員が、住民の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行っており、介護保険の申請窓口も担っています。各市町村が設置主体となり、中学校区(人口2~3万人)に1か所設置されています。

要介護認定(要支援認定)

介護保険制度では、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、日常生活の基本的な動作はほぼ自分で行うことができるが、家事や身支度等に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができます。 この要介護状態や要支援状態にあるかどうかの判定を行うのが要介護認定(要支援認定)で、非該当、要支援1・2、要介護1~5までの区分があります。市区町村が実施しています。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

要介護度が判定されたのち、施設への入所ではなく、在宅介護を希望する場合の相談先がケアマネージャーです。ケアマネジャーは介護を必要としている人の状況や家族がどのようなことに困っているのかを把握し、必要なサービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるように、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う人をいいます。要介護者や要支援者が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして、介護支援専門員証の交付を受けています。

 

仕事と介護の両立支援に役立つサービス

介護相談窓口「顧問介護士」

介護の相談窓口である「顧問介護士」を置いて介護離職を防ぎませんか?

大切な社員が辞めずに働き続けてくれたら、新たにかかる採用コストを削減できます(※1人あたり平均約40万円かかる採用コストが削減)。

「顧問介護士」とは、介護関連の専門知識・資格を持った顧問介護士が介護にかかわる従業員の不安を解消し、「身近な人の介護があっても安心して働き続けられる」企業の環境づくりをサポートする福利厚生サービスです。

全国365日10時~19時、従業員からの介護および介護に派生する相談・お悩みに対応するLINE相談サービスが最大の特長。

合わせて、従業員向け介護セミナーの開催(年1回)、定期的な介護離職リスク診断の実施、会員専用の情報サイトによる情報提供等(広報誌、介護ガイドブック、動画コンテンツ他)が継続的に受けられ、企業の両立支援体制づくりにも寄与します。

詳細はこちら≫https://www.kaiketsu-j.com/service/1424/

両立支援セミナーのご紹介

※公開までいましばらくお待ちください。

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