HOME 人事労務トピックス 介護 要介護認定の新基準導入も、低判定では信頼ゆらぐ

要介護認定の新基準導入も、低判定では信頼ゆらぐ

介護保険制度で要介護認定の新基準が導入された4月以降、サービスの水準を決める要介護度が低く判定されるケースが増えていることが分かりました。介護保険利用者の実態に合っていないことが明らかであれば、速やかに基準を見直すべく、厚生労働省は専門委員会をつくり判定の検証作業を続けています。 要介護度は低い順に「要支援1」から「要介護5」まで7段階あり、そのほかに、支援の必要が認められない「非該当(自立)」があります。介護保険のサービスを受けるためにはまず、市町村などに申請して、どの程度の介護が必要かの要介護度の判定を受けなければなりません。 判定は調査員の聞き取りなどを基に1次判定を経て、認定審査会での2次判定で正式に決まります。今回基準が見直されたのは、1次判定についてです。調査項目をこれまでの82から74に絞り込み、調査の視点も「日常生活への支障があるか」から「実際に介助されているか」という判断に変わりました。 見直しの理由を厚生労働省は、調査員の主観を排除し、地域間の認定のばらつきを解消するためとしています。しかしその一方で、「制度改正により、不適切な変更を是正する」という厚生労働省の内部資料も見つかりました。これでは、新基準導入の狙いが、軽度への移行を促し、介護給付費の抑制を目的としていると見られても仕方がありません。実際4~5月の新規申請者のうち、「非該当(自立)」と判定された人が全体の5%と、前年同期より倍増していたことが厚生労働省の調査で分かっています。 厚生労働省は4月半ば、専門委員会の結論が出るまで、希望者には従来の要介護度でサービスを受けられる暫定措置を決めましたが、新規の認定申請者は対象外のため、不公平感が残る可能性もあります。   保険料を払っているのに、必要な介護サービスを受けられないというのでは、制度の信頼性が揺らぎます。基準の抜本的見直しが望まれます。