<米澤社労士事務所 代表 特定社会保険労務士 米澤裕美>
人的資本経営と感情:エンゲージメントと幸福を追求する組織へ
「人的資本経営」は、従業員を単なる労働力としてではなく、企業に価値をもたらす「資本」と位置付け、その人の力を最大限に引き出すことで企業の長期的な発展を目指す経営の在り方です。具体的には、コンプライアンス、ダイバーシティ、組織文化、エンゲージメント、健康・安全・幸福、採用、人事異動、離職、スキルと能力、労働力の確保などのカテゴリが、人的資本経営で重要視されるポイントとして取り上げられます。本コラムでは、これらのポイントの中で特にエンゲージメントや幸福に関連する「感情」に焦点を当てて考察していきます。
ウェルビーイングやエンゲージメントが働く人の力を引き出す
前回のコラム①では、人的資本経営の中の特にエンゲージメントや幸福に関連する「感情」について考察しました。今回のコラムでは具体的にエンゲージメントを高める活動をしている企業事例をご紹介します。
人的資本経営は、働く人の力を最大限に引き出すことで企業の長期的な発展を目指す経営の在り方です。そのためには、ウェルビーイング(組織内での充実感や生活満足度による幸福度)や、エンゲージメント(従業員が仕事に対する情熱や献身を示す度合いで、組織に対するコミットメントや業績向上につながるといわれるもの)が重要です。ウェルビーイングやエンゲージメントが高いことで、新たな発想力や生産性高い仕事をすることにつながるでしょう。
では、ウェルビーイングやエンゲージメントを高める方法はあるのでしょうか。
次にご紹介する「自然豊かな場所で農業体験の実施を提供している企業」がヒントになるかもしれません。