
医療機関・介護施設の給与&人事
令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料の主な変更点
<AIP経営労務合同会社 代表 大澤 範恭>
令和8年度診療報酬改定では、医療従事者の賃上げを後押しするベースアップ評価料が大幅に拡充されました。
外来・在宅、入院の各評価が強化され、入院ベースアップ評価料は最大500区分へ拡大。賃上げ目標の明確化、対象施設・職員の拡大、算定基礎額の見直しなど制度全体が再構築され、実績報告や届出手続きも簡素化されました。医療機関の継続的な賃上げを促す仕組みが一層強化されています。
本稿では、その主な変更点について、ご説明します。
1.賃上げに向けた評価の見直し
医療従事者の賃上げを支援するためのベースアップ評価料は、令和6年度診療報酬改定において設けられましたが、令和8年度診療報酬改定において、大幅な拡充が行われました。
⑴外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
令和8年度及び令和9年度において段階的に評価が引き上げられるとともに、継続的に賃上げを実施している保険医療機関が高く評価されることになりました。

⑵入院ベースアップ評価料
従来165区分であったのが、令和8年6月から250区分となり、さらに令和9年6月以降は、500区分まで拡大します。
⑶入院料の見直し及び減算規定の新設
これまでの物価高騰による医療機関等の物件費負担の増加や、継続的な賃上げに係る評価を行う必要性があることを踏まえ、基本診療料等について点数が引き上げられます。
(例)一般病棟入院基本料
急性期一般入院料1 1,688点→1,874点
一方、令和6年度及び令和7年度において賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外の保険医療機関を区別する観点から、入院基本料等に減算規定が新設されます。
(例)急性期一般入院料1の場合
121点減算(1日あたり)
2.内容に関する主な変更点
⑴賃上げの目標
令和8年度に3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)、令和9年度にさらに3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)の賃上げを目指します。
⑵対象となる施設
従来の保険医療機関、訪問看護ステーションのほか、保険薬局が追加されました。
プロフィール
大澤 範恭(おおさわ のりやす)
AIP経営労務合同会社 代表(https://www.aip-sr.jp/)
認定登録医業経営コンサルタント、特定社会保険労務士、行政書士
国際コーチング連盟(ICF)ACC(アソシエイト認定コーチ Associate Certified Coach)
(公社)日本医業経営コンサルタント協会埼玉県支部理事
埼玉県医療勤務環境改善支援センター医業経営アドバイザー
1982年 東京大学法学部卒業、厚生省(当時)入省
2017年 35年間在職した厚生労働省を退職
2018年 AIP社会保険労務士・行政書士事務所を開業
2019年 AIP経営労務合同会社を設立、医療・介護専門の人事・労務コンサルティングに従事
著書「医療機関・介護施設の”給与&人事“改革マニュアル(令和7年12月発刊 医学通信社)」
「医師の働き方改革実践ハンドブック(令和4年7月発刊 日本法令)」
「医師の時間外労働規制 関係法令通達集(令和5年10月発刊 日本法令)」










