
人が集まり、育ち、定着する
医療・介護のための給与・人事改革のポイント
医療機関や介護施設を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。若い働き手が減る中で、人材を確保し、長く働いてもらうためには、たとえ経営が厳しくても、賃金・人事制度を「ここで働きたい」と思える内容に見直していく必要があります。
診療報酬・介護報酬では賃上げのための措置も講じられていますが、実際には定額の手当の支給で対応しているケースも多く、人事評価による差がつきにくい仕組みになりがちです。その結果、評価と賃金の結びつきが弱くなっている点は見過ごせません。
また、医療・介護の現場は人件費の割合が高く、人件費に見合う収益を確保できるかどうかが、経営の安定やサービスの質に直結します。加えて、定年の引き上げや医師の働き方改革(固定残業代の見直し)、同一労働同一賃金への対応など、制度面の課題も避けて通れません。
本連載では、こうした状況を踏まえ、現場で無理なく取り組める給与・人事制度の見直し方を、数々の医療機関・介護施設において賃金・人事制度の改革を手がけてきたAIP経営労務合同会社 代表 大澤範恭氏が、実務経験に基づきわかりやすく解説していきます。
令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料の見直しなど最新動向も踏まえながら、実際の運用まで見据えた、すぐに活かせる視点やポイントをお届けします。
CONTENTS
令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料の主な変更点 NEW!
令和8年度診療報酬改定では、医療従事者の賃上げを後押しするベースアップ評価料が大幅に拡充されました。
外来・在宅、入院の各評価が強化され、入院ベースアップ評価料は最大500区分へ拡大。賃上げ目標の明確化、対象施設・職員の拡大、算定基礎額の見直しなど制度全体が再構築され、実績報告や届出手続きも簡素化されました。医療機関の継続的な賃上げを促す仕組みが一層強化されています。
本稿では、その主な変更点について、ご説明します。
執筆者プロフィール
大澤 範恭(おおさわ のりやす)
AIP経営労務合同会社 代表(https://www.aip-sr.jp/)
認定登録医業経営コンサルタント、特定社会保険労務士、行政書士
国際コーチング連盟(ICF)ACC(アソシエイト認定コーチ Associate Certified Coach)
(公社)日本医業経営コンサルタント協会埼玉県支部理事
埼玉県医療勤務環境改善支援センター医業経営アドバイザー
1982年 東京大学法学部卒業、厚生省(当時)入省
2017年 35年間在職した厚生労働省を退職
2018年 AIP社会保険労務士・行政書士事務所を開業
2019年 AIP経営労務合同会社を設立、医療・介護専門の人事・労務コンサルティングに従事
著書「医療機関・介護施設の”給与&人事“改革マニュアル(令和7年12月発刊 医学通信社)」
「医師の働き方改革実践ハンドブック(令和4年7月発刊 日本法令)」
「医師の時間外労働規制 関係法令通達集(令和5年10月発刊 日本法令)」
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