
現場を知る社会保険労務士が、役立つ実務ポイントを連載形式で解説
医療機関のための、現場視点で実践できる労務管理
医療現場では、スタッフの確保や働き方改革への対応、複雑化する労務リスクへの対処など、日々の運営において“人”に関する課題が絶えません。特に医療機関は、一般企業とは異なる勤務形態や専門職特有のルールが多く、適切な労務管理を行うためには正確な知識と確かな運用が求められます。
本連載では、内科クリニックの事務長として現場に携わりながら、社会保険労務士として、主に医療・介護・福祉分野を中心に活動されている、しみずハート社会保険労務士事務所・清水美穂氏に、医療機関が押さえておきたい労務管理のポイントをわかりやすく解説いただきます。
日常の人事労務の疑問から、法改正の動向、トラブル防止の実務対応まで、すぐに現場で役立つヒントをお届けします。労務リスクを軽減し、安心して働ける職場づくりのために――、ぜひ参考にしてください。
連載コラム
ベースアップ評価料、“配り方”で失敗しないために NEW!
令和8年度診療報酬改定により、ベースアップ評価料の点数が約2~4倍になります。
また、医療介護等支援パッケージの賃上げ支援事業の申請要件となっていたこともあり、今年度から算定する医療機関が増えています。
一方で、「ベースアップ評価料を届け出たけれど、どう配ればいいのか分からない」「基本給にするべきか、手当にするべきか迷っている」といった悩みも多く聞きます。
今回は、ベースアップ評価料の“配り方”について、実務の視点で整理します。
令和7年度補正予算:医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業(医療・介護等支援パッケージ)を完全解説~実務編:賃上げ支援補助金の配分方法~
前回は、令和7年度補正予算による「賃上げ支援事業」と「物価支援事業」の制度の全体像について整理しました。
今回は、その中でも実務上もっとも判断が難しい「補助金の配分方法」について解説します。
賃上げ支援事業では補助金を単に支給すればよいわけではなく、令和8年6月以降も賃金水準を維持または拡大することが求められています。
そのため、ベースアップ評価料との関係を踏まえた賃金設計が非常に重要になります。
具体的な支払い方法のパターンを見ながら、実務上のポイントを整理していきましょう。
令和7年度補正予算:医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業(医療・介護等支援パッケージ)を完全解説~制度編~ NEW!
今回は、令和7年度補正予算で創設された医療機関向け「賃上げ・物価上昇支援事業(医療・介護等支援パッケージ)」について解説します。
令和7年度補正予算では、医療機関向けに「賃上げ支援事業」と「物価支援事業」が創設されました。
医療機関に対して、賃上げや物価高騰への対応を支援するための給付金が支給される制度です。
そこで本記事では、医療機関向け「医療・介護等支援パッケージ」の内容について、制度の全体像と実務上のポイントを整理します。
「インフル・コロナは、労災じゃないですか?」職員が感染した時の〈労災・特別有給・出勤停止〉の整理
看護師 「インフルエンザ(新型コロナ)にかかりました。仕事中にうつったと思うので、労災になりませんか?」
この時期、次のような相談を受けたことはありませんか?
医療機関側としては、「え、労災?労災にしたら、何かペナルティが課されるのでは?」と、つい身構えてしまいがちです。
ここで、「どこで感染したかわからないから労災ではないよ」と一方的に否定してしまうと、職員との間に不信感が生じることもあります。
今回は、職員から「労災ですよね?」と言われたとき、医療機関としてどう考え、どう対応すればよいのか整理してみましょう。
「メンタル不調なので休職します」――その対応、本当に大丈夫ですか?〈ケーススタディで整理する休職対応の実務〉
ある日、3年目看護師のAさんから次のような連絡が入りました。
「先輩に叱られてから体調が悪く、うつ病と診断されました。しばらく休職します」
診断書も提出され、確かに様子もつらそうです。院長と事務長は「無理をさせるわけにはいかない」と考え、「しばらく休んでいいよ」と伝えました。
この対応は労務管理として正しいと言えるでしょうか。
着替えの時間は労働時間? ~医療現場の"たった5分"が生む大きな差~
スタッフの着替え時間を労働時間に入れていますか? 朝の"たった5分"が、実は大きな差を生むことをご存知でしょうか。
着替え時間を労働時間に含めるか含めないかで年間数十万円もの差が生まれることも。
でも、ここで大切なのは 「じゃあ、労働時間に含めない方がお得!」 という話ではありません。法的に正しい扱いをしないと、 後々大きなトラブルになる可能性があります。
では具体的にどのような運用をしたらよいのでしょうか。
看護師の副業はOK?─医療機関の副業を”安全に認める”ための実務ガイド
ここ数年、面接や顧問先で「副業してもいいですか?」と聞かれることが増えてきました。
厚生労働省のガイドラインでも、副業・兼業は原則認める方向性が示されています。副業・兼業に関する裁判例では、「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由である」とされており、裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが適当です。
今回のコラムでは、医療機関の「副業」について詳しく見ていきましょう。
医師の働き方改革で宿直“グレーゾーン”が通用しない時代に! ──夜勤・当直・宿直の違いと宿日直許可の落とし穴
2024年4月、日本の医療現場にとって大きな転機が訪れました。
これまで例外扱いされていた医師にも、時間外労働の上限規制が適用されるようになったのです。
中でも多くの病院関係者が注目しているのが、「宿直」「当直」「夜勤」など、医療現場特有の勤務形態の扱いです。
これらは長らく慣例や“なんとなく”で運用されてきましたが、今は「労働時間かどうか」を明確に判断し、適切な対応を取ることが求められる時代に入っています。
今回のコラムでは、この「当直」について詳しく見ていきましょう。
執筆者プロフィール
清水美穂
社会保険労務士・医療労務コンサルタント・ハラスメント防止コンサルタント・2級ファイナンシャルプランニング技能士
しみずハート社会保険労務士事務所 (https://www.sr-heart.com/)代表
山口放送のアナウンサーを経て社会保険労務士資格を取得。
現在は医療・介護・福祉分野を中心に顧問業務を行う一方、
本コラムをお読みの方にオススメの「医療機関の人材確保と賃上げ対策」DVD
医療機関における人材確保と賃上げを後押しする制度として、2024年度診療報酬改定で新設された「ベースアップ評価料の」の基本と算定方法、簡易様式を活用した届出・計画書作成の実務手順について、初心者の方でも理解できるように、実務の流れに沿って丁寧に解説したDVDです。
医療機関における人材確保と賃上げにつながる仕組みづくりに、このDVDで届出・計画書作成のスキルを身につけませんか?










