【セミナーレポート|実務解説編】2026年以降の障害者雇用実務のポイント

公開日:2026年8月6日

 

【セミナーレポート|実務解説編】
2026年以降の障害者雇用実務のポイント

民間企業に雇用されている障害者の数は70.5万人(22年連続で過去最高を更新)に達し、実雇用率も2.41%(令和7年6月1日現在)となるなど、障害者雇用は着実に広がっています。さらに、2026年7月からは法改正によって法定雇用率が2.7%へと引き上げられ、対象となる事業主の範囲も従業員37.5人以上の企業へと拡大しました。

これにより、企業には法令への対応はもちろんのこと、障害の有無にかかわらず誰もが活躍できる「共生社会」の実現を見据えた環境整備が不可欠となっています。

しかしその一方で、現場では、法定雇用率を満たすための「数合わせの採用」や、本人の状況と職場環境のミスマッチによる早期離職といった課題も表面化しています。

こうした状況の中、今現場で強く求められているのが「雇用の質」の向上です。

そこでブレインコンサルティングオフィスでは、2026年7月2日、障害者が長く活躍できる職場づくりを考えるオンラインセミナーを開催いたしました。本セミナーでは、実際の企業現場で働く障害当事者とその上司をお招きし、「当事者」と「マネジメントする上司」の双方の視点から、現場で生じるリアルな課題や定着のポイントについて詳しくお話しいただきました。

本記事では、その当日の模様を【実務解説編】と【事例編】の2回に分けてレポートします。

※本記事は、2026年7月2日に開催されたオンラインセミナーの開催レポートです。

 

セミナー登壇者

ラグランジュサポート株式会社 代表取締役社長 社会保険労務士 木下文彦氏

大手リース会社で障害者雇用を統括後、2023年にラグランジュサポート株式会社を設立。障害者雇用で実践し高い定着実績を残した心理的安全性を高める職場づくりの手法を活用し、障害の有無にかかわらず「社員がここで働きたいと思える会社づくり」を支援。著書に『従業員300名以下の会社の障害者雇用』がある。


YORISOU社会保険労務士法人 プレシャスワークデザイン室 室長 秋元全和氏

YORISOU社会保険労務士法人の各サービスにおける広報活動を担う他、前職において、地域の就労支援センターのセンター長として、いわゆる「送り出す側」の立場から障害のある方々の就労・定着を支援した経験を活かし、現在は「受け入れる側」である企業の障害者雇用の導入から定着までのサポートに尽力している。


YORISOU社会保険労務士法人 プレシャスワークデザイン室 主任 笹川あかり氏

2023年の8月、YORISOU社会保険労務士法人に障害者雇用枠で入所。障害年金の申請業務サポートに加えて、プレシャスワークデザイン室広報チームで、機関紙の記事作成、イベントチラシやHPをはじめとするデザイン業務を担っている。2026年6月1日より、同チームの主任を務めている。

 


障害者雇用は「人数を満たす」から「安心して働き続けられる職場づくり」の段階へ

 

セミナーレポートの実務解説編では、障害者雇用のコンサルティングに携わる社会保険労務士・木下文彦氏の解説パートをお届けします。障害者雇用促進法の改正を背景に、今企業に求められている「雇用の質」の考え方と、専門機関(就労移行支援事業所)を活用したミスマッチのない採用手法について詳しくお話しいただきました。

「雇用の質」で大切な4つの軸

2026年7月1日より、民間企業の障害者の法定雇用率は2.7%以上に引き上げられました。これに伴い、既存の雇用枠をさらに広げる必要がある企業や、初めての採用に向けて対応に追われる企業など、法定雇用率の達成に向けた動きが広がっています。こうした雇用拡大が進む一方で、今現場で強く求められているのが「雇用の質」の向上です。

障害者雇用促進法の令和4年改正においても、事業主の責務として、従来の「適当な雇用の場の提供、適正な雇用管理」に加え、「職業能力の開発及び向上に関する措置」が明確化されました。企業には単に働く場を提供するだけでなく、一人ひとりの能力を伸ばす機会を提供することが求められています。

では、企業が目指すべき「雇用の質」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。木下氏は講演の中で、雇用の質を高めるために企業が押さえるべきポイントとして、以下の4つの軸を示しました。

 

>>>【セミナーレポート|事例編】YORISOU社会保険労務士法人に学ぶ「共に働き、共に成長する」定着支援


執筆・編集

大橋幸子

株式会社ブレインコンサルティングオフィス(https://www.e-brain.ne.jp/) 社会保険労務士 

組織や人に関する課題・悩みを「かいけつ!」する人事労務ご担当者のための“実務”情報サイト『かいけつ!人事労務』の記事企画・編集・監修を担当。育児介護休業法や障害者雇用、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)をはじめとする時代の潮流を捉えたテーマを中心に、法改正に伴う制度対応から現場での運用・定着までを網羅した実践的な情報を発信している。また、メディアでの情報発信にとどまらず、セミナーの企画や実務ツールの開発・制作を通じ、企業と社労士の双方が現場で即活用できる実践的なソリューションを提供している。


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