
【経営人事改革の視点】問題社員の行動を変える「随伴性マネジメント」
<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>
行動随伴性とは
行動主義心理学と呼ばれる心理学の分野があります。そこには「行動随伴性」と呼ばれる中核的な概念があります。
行動随伴性とは、「ある状況」において「特定の行動」をとったことで「良い結果」が出た場合、同じ状況下で半ば自動的にこの行動が繰り返されるという特性をいいます。このような流れで特定の行動の再現性が高まることを行動の「強化」といい、逆に悪い結果が出た場合は、行動の再現性は低くなる、つまりその行動が「弱化」されます。
こうした行動特性は進化の結果身についた学習能力で、人間だけでなく他の哺乳類や鳥類にも備わっているとされています。このような性質を利用して、自分自身や他人の行動を変えようとする取り組みが「随伴性マネジメント」と呼ばれる手法です。
問題社員が社内で不規則な行動をして困るケースがあります。たとえば、上司が業務指示を行っても、多忙という理由や雇用契約にその業務内容は含まれないなどといった理由で指示に従わないケースがあります。そのように対応することで、業務指示から逃れることができてしまうと、業務指示を無視する行動が繰り返されてしまいます。つまり、そうした行動が「強化される」のです。
こうした現象が行動随伴性なのですが、随伴性マネジメントの核心は、「ある状況→特定の行動→良い結果」という構造に働きかけていくことにあります。
これまで業務指示に対して抵抗があった場合、簡単に引いてしまっていたところ、何があってもそこを死守するのです。つまり、行動随伴性の構造を壊すために決して「良い結果」という報酬を与えないというのが、随伴性マネジメントの核心的な対応になります。
消去バーストの後、問題行動が減る
プロフィール
西川幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員
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