1年単位の変形労働時間制を採用している事業場で、ある労働者について、変形期間の途中から適用する(1年の途中で採用する)場合、あるいは途中から適用を除外する(1年の途中で退職する)場合の賃金の清算はどうすればよいでしょうか?

公開日:2008年7月24日
Q.1年単位の変形労働時間制を採用している事業場で、ある労働者について、変形期間の途中から適用する(1年の途中で採用する)場合、あるいは途中から適用を除外する(1年の途中で退職する)場合の賃金の清算はどうすればよいでしょうか?
A.1年単位の変形労働時間制は、1年を通して週平均40時間とする制度なので、1年の途中で採用した場合や1年の途中で退職した場合は、割増賃金の支払いが必要な時間数を計算し、時間外労働手当を清算しなければなりません。
解説

 1年単位の変形労働時間制を採用する場合、
1.変形期間の途中で新規入社や転勤による他からの着任により、変形期間の途中から適用する場合は、変形期間終了時点。
2.退職や転勤による他への赴任により、変形期間の途中で適用を除外する場合は、その時点。
3.中途からの適用者が変形期間終了前に退職等をした場合は、その退職時点。
以上の時点により、それぞれ次の計算式により清算すべき賃金額を算出すべきものとされています。

  割増賃金の支払いが必要な時間数=A-(B+40×実労働時間の暦日数÷7)

  A=実労働期間における実労働時間 
  B=労働基準法第37条第1項の規定により当然割増賃金を支払わなければばらない時間数

 時間外手当の清算額=時間外手当算定にかかる時間単価×上記割増賃金の支払いが必要な時間数×1.25

 ちなみに通達では、中途退職者等、実労働期間を平均した場合の1週あたりの労働時間数が、その本来の変形期間を平均した場合の1週間当たりの所定労働時間よりも短い場合であって、「変形期間の前半に対象期間中の週平均労働時間を超える所定労働時間を特定した月があるような場合には、この計算方法では賃金の過少払いとなる。したがって、このような賃金の計算方法は、法違反を生じる可能性が極めて高いものであり、労働基準法の強行法規としての性格にかんがみれば、違法となる場合が容易に想定される内容を含む労使協定を結ぶことはできない。」とされています。

コンサルタントからのアドバイス

1年単位の変形労働時間制は、変形期間が1年間という長い期間のため、対象期間内で入社する労働者や退職する労働者が出てきます。1年単位の変形労働時間制は、1年を通して在籍しないと週平均40時間となりません。途中入社や途中退社の場合には、忘れずに時間外手当の清算をしましょう。 <社会保険労務士 PSR正会員 松田 将紀>

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