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厚生労働省が、平成27年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表

本年6月に、厚生労働省から、平成27年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。

「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援するもので、 「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。

 

※ 「個別労働紛争解決制度」は、個別労働関係紛争解決促進法に基づいて、平成13年10月から実施されているものです。各方法の概要は、次のとおりです。
・「総合労働相談」→都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など381か所(平成28年4月現在)に、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナーを設置し、専門の相談員が対応。
・「助言・指導」→民事上の個別労働紛争について、都道府県労働局長が、紛争当事者に対して解決の方向を示すことにより、紛争当事者の自主的な解決を促進する制度。
・「あっせん」→弁護士や大学教授など労働問題の専門家である紛争調整委員が入って話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る制度。

 

―――――― 平成27年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」のポイント ――――――


●助言・指導申出件数、あっせん申請件数は減少傾向にあるものの、総合労働相談件数が8年連続で100万件を超えるなど、高止まり。

●「民事上の個別労働紛争の相談件数」、「助言・指導の申出件数」、「あっせんの申請件数」のすべてで、“いじめ・嫌がらせ”がトップ。
・民事上の個別労働紛争の相談件数は、66,566件で4年連続トップ
・助言・指導の申出では、2,049件で3年連続トップ。
・あっせんの申請では、1,451件で2年連続トップ。

 

“いじめ・嫌がらせ”の件数が多いことが目立ちますね。職場におけるいじめや嫌がらせは個人的な問題ではなく、 企業の社会的評価を著しく低下させることにもなりかねない雇用管理上の問題です。発生すれば、職場環境の悪化、生産性の低下・人材の流出につながる可能性もあります。 また、被害者が精神障害などを発症すれば労災補償へと発展します。

本年6月に厚生労働省から公表された「平成27年度の過労死等の労災補償状況」より、精神障害に関する事案の労災補償状況をみると、 「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」ことによる支給決定件数が60件〔出来事別にみて2位〕もあり、そのうち自殺に至ったものが8件あります。 未然の防止対策が重要ですが、企業が、職場のいじめ防止に取り組むにあたっては、職場の現状を把握した上で、具体的な対策を講じる必要があります。