時間外労働はどの時点から計算しますか

公開日:2012年2月11日
Q.時間外労働はどの時点から計算しますか
A.法定労働時間(8時間)を超えた後の時間が時間外労働となり、割増賃金の支払義務が生じます。就業規則で定めた労働時間(所定労働時間)が8時間未満であっても、所定労働時間を超えたところからではありません。この場合、所定労働時間と法定労働時間の間は、割増賃金の支払義務はありません。
解 説

労基法に定められた一日の法定労働時間は8時間です。そして、法定労働時間は、下回ることのできない最低基準のため、所定労働時間も8時間を超えることはできません。
所定労働時間 休憩  所定労働時間  時間外労働
9:00          3時間     1時間
初めに書きましたが、労基法上の時間外労働は、あくまでも法定労働時間の8時間を超えた部分であり、就業規則で定めた所定労働時間を超えたことにより発生するものではありません。この法定労働時間(8時間)と所定労働時間(7時間とします)の差(1時間)が法定内残業などと言われるものですが、割増賃金の支払義務はありません。法定内残業については、その時間に対する賃金支払いの問題であり、割増賃金の支払いの問題ではありません。
【例】
所定労働時間7時間(始業時間=9時、終業時間=17時)、休憩=1時間の会社で、20時まで残業した場合 ・総労働時間(10時間)-法定労働時間(8時間)=時間外労働(2時間) 2時間分については、割増賃金(2割5分以上)の支払いが必要となります。
・法定内残業については、割増賃金(2割5分以上)の支払いは不要となります。法定内残業の時間に対する賃金支払いだけでよいことになります。ただし、割増賃金を加算して支払うことは、特に問題はありません。

Point

・法定労働時間の8時間を超えたところからが時間外労働です。 ・所定労働時間が8時間未満の場合、終業時刻が時間外労働の開始時刻にはなりません。

コンサルタントからのアドバイス

自社の所定労働時間が、法定労働時間と同じなのか短いのか点検してみてください。 〈PSR正会員 川田 陽一〉

「労働時間・休日の法律」関連記事

「労務コンプライアンス」に関するおすすめコンテンツ

ピックアップセミナー

東京会場 2024/05/23(木) /13:30~17:30

【会場開催】はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー

講師 : ※各日程をご確認ください

受講者累計5,000人超!2009年から実施している実務解説シリーズの人気セミナーです!
給与計算と社会保険について基礎からの解説と演習を組み合わせることで、初めての方でもすぐに実務に活用できるスキルが習得できます。

DVD・教育ツール

価格
31,900円(税込)

経験豊富な講師陣が、初心者に分かりやすく説明する、2023年版の年末調整のしかた実践セミナーDVDです。
はじめての方も、ベテランの方も、当セミナーで年末調整のポイントを演習を交えながら学習して12月の年末調整の頃には、重要な戦力に!

価格
7,150円(税込)

本小冊子では、ビジネスマナーに加え、メンタルヘルスを維持するためのコツ、オンライン会議やSNSのマナーのポイントも紹介しています。
また、コンプライアンス(法令順守)も掲載。ビジネスパーソンとして肝に銘じておきたい「機密管理」、働きやすい職場づくりに必要不可欠な「ハラスメント防止」について、注意点を解説しており、これ一冊で、一通りのマナーの基本が身に付くようになっています。

おすすめコンテンツ

TEST

CLOSE