記事一覧はこちら(準備中)>>>【連載】AI時代における労務問題への対応実務
ここ数年、生成AIが急速に発展し、多くの企業で導入や活用が進みつつあります。人事労務の実務も例外ではありませんが、AIの話題はどうしても活用術が中心になりがちです。
しかし、人事総務部門の実務においては、AIの普及によって生じる非常に大きな問題が見落とされています。
特に、その傾向は労務問題について顕著です。そこで、本連載では、「AI時代における労務問題への対応実務」をテーマに、企業が何を見誤りやすく、何に備えるべきかを考えたいと思います。
本連載は全6回を予定しています。第1回となる今回は、その前提となる問題意識を確認します。
汎用性のある生成AI(Gemini・チャットGPT等)は“使い方”が重要
御社では、どの程度、AIの活用が進んでいるでしょうか。Google検索にAIモードが導入され、私生活まで含めると、AIを全く活用したことがない人は少なくなってきていると思います。
しかし、業務でのAIの導入・活用は企業によってバラつきがあるように感じます。かなりAIの導入が進み、業務が自動で回せる仕組みが出来上がっている企業もあれば、まだ社内で話題にも挙がっていない企業もあるようです。そこで、まずは、本連載で扱うAIとは何かをその理由と共に明確にしたいと思います。
結論から申しあげると、本連載で扱うのは、ChatGPTやGeminiのように、文章作成や問題解決など幅広い用途に使われる汎用的な生成AIです。なぜなら、これらの生成AIは幅広い用途に使うことができ、その使い方が重要になるからです。
システムの一部として、AIが使用されているケースもあります。
例えば、勤怠管理システムの一部としてAIが組み込まれているケースなどです。今まで、タイムカードで勤怠管理を行っていた企業の場合、始業・終業時刻を人間が手入力で勤怠管理システムに打ち込んでいたと思います。ところが、AIの登場によって、タイムカードをAIが画像として認識し、始業・終業時刻を文字化して勤怠管理システムに反映してくれるようになりました。
このようなケースでは、どれだけ正確にAIが文字を認識できているかをチェックすることは必要ですが、AIを使うことによって生じる問題は少ないです。なぜなら、AIに任せられた範囲は非常に狭く、何を読み取るべきかという「評価の軸」も明確に決まっているため、誤りがあったとしても人間がタイムカードを確認して修正すれば良いからです。
それに対して、文章作成や問題の解決にAIを使用すると、AIに任せる範囲が非常に広くなります。これらをAIに任せると、生成された内容の正誤に加え、人によって受け取り方が異なる内容の適否という問題が生じます。したがって、AIの“使い方”が重要になるのです。
そこで、本連載では、このように使い方が重要になる汎用的な生成AIを中心に扱うことにします。
AIを通してみると、労務問題特有の性質が見えてくる
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執筆者
小嶋裕司
フェスティナレンテ社会保険労務士事務所(https://www.festinalentesroffice.com)代表
特定社会保険労務士
就業規則の専門家。企業が抱える人事労務の課題解決のため、その実現に必要な就業規則や関連規程の整備の支援をしている。法令遵守と企業の事情を両立させた現実的な対応を得意とする。生成AIの黎明期である2023年3月から、AI・デジタル講師陣がそろう学習環境下で本格的に生成AIの活用を開始。自らの実務に活用するだけでなく、人事の専門家に向けて「AI時代の労務問題・就業規則」をテーマとした勉強会の講師を務めるなど、新しい時代の人事労務に関する知見を積極的に発信している。

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