知っておきたい!新型インフルエンザに関するQ&A

公開日:2009年11月9日
いまなお新型インフルエンザが猛威をふるっています。 ここでは、平成21年10月30日に厚生労働省から出された新型インフルエンザに関するQ&Aに基づき、 ・ 職場でできるインフルエンザ対策は? ・ もし新型インフルエンザにかかった社員が出た場合の扱いは? ・ 休業手当は払わなければならないの? など、Q&A形式でご紹介します。 なお、新型インフルエンザの発生および感染拡大に伴ってやむを得ず社員を休ませる場合などに使える、助成金の特例については、雇用調整助成金等の特例をご参考にしてください。

 知っておきたい!新型インフルエンザに関するQ&A


Q.職場で取り組むべき新型インフルエンザ対策にはどのようなことがありますか?
A.社員の健康管理を徹底するとともに、感染機会を減らすための工夫をしましょう。

具体的には、次のようなことが挙げられます。
  • 発熱症状のある社員については、医師の指導に従って、休暇を取得の上、自宅で療養してもらうなどの対応を検討する。
  • 手洗いや咳エチケットの周知、職場の清掃を徹底するなど、感染防止に向けた教育・啓発を行う。
  • 休んだ社員本人や家族の健康状態の確認(発熱の有無や発症者との接触可能性の確認)や休んだ理由の把握を行い、本人や家族が感染した疑いがある場合には連絡するよう指導する。
  • 社員の子どもが通う保育施設等が臨時休業になった場合に、その社員の勤務への配慮を行う。



Q.社員にインフルエンザの症状が見られる場合、もしくは、インフルエンザと診断されたものの「新型」かどうか確定されない場合はどう対応すればいいのでしょうか?
A.本人の安静のため、そして新たな感染者をできるだけ増やさないために外出を自粛し、医師の指導に従って自宅において療養してもらうことが適当です。

ただし、次のような症状を認めるときは、すぐに医療機関を受診するよう、 周知してください。
  • 呼吸困難または息切れがある
  • 胸の痛みが続いている
  • 嘔吐や下痢が続いている
  • 3日以上、発熱が続いている
  • 症状が長引いていて悪化してきた
  • 症状が急速に悪化してきた
なお、現在、医療機関においては、新型インフルエンザか否かの確定検査は原則として行われていません。インフルエンザと診断された場合は、新型インフルエンザと確定されない場合でも、上記の対応を参考にされてください。



Q.社員が新型インフルエンザに感染した場合、同じ職場の社員(濃厚接触者)や、同居する家族が感染した社員(濃厚接触者)は、仕事を休ませる必要がありますか。
A.発症した社員と同じ職場の社員などの濃厚接触者でも、インフルエンザの症状がない場合は、一般的には仕事を休ませずに職務を継続することができると考えられます。

ただし、あくまでも職務の必要性や内容に応じてその継続の可否を判断して下さい。 また、勤務を継続する場合は、朝夕の検温や手洗いなどの健康管理を行い、体調が悪化した場合は直ちに上司に報告するよう、徹底することが必要です。



Q.社員が新型インフルエンザに感染していることが確認された場合に、どのような対応をしたらよいのでしょうか。
A.社員の感染が確認された場合、会社は、社員全員を自宅待機させる必要はないまでも、感染拡大防止の工夫をする必要があります。

ただし、職場で大規模な集団感染が疑われるケースについては、保健所と相談の上、必要に応じ、感染拡大防止のために一斉休暇を与えるなど、感染機会を減らすための防止策等の協力をしていただく必要があります。



Q.新型インフルエンザに関連して社員を休ませる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
A.感染または感染の疑いがある場合には、保健所の要請等に従い、外出を自粛することその他感染拡大防止に努めることが重要ですが、欠勤中の賃金の取扱いについては、労使で十分に話し合い、社員が安心して休むことができる体制を整えましょう。



Q.新型インフルエンザに関連して社員を休ませる場合、労働基準法第26条に定める休業手当を支払う必要はあるのでしょうか?
A.平成21年10月時点では次のように考えられています。

1.社員が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合  新型インフルエンザに感染しており、医師等による指導により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられるため、休業手当を支払う必要はありません。  医師による指導等の範囲を超えて(外出自粛期間経過後など)休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。 2.社員に発熱などの症状があるため休業させる場合  新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため社員が自主的に休む場合は、通常の病欠と同じように取り扱えばよく、病気休暇制度を活用すること等が考えられます。  一方、例えば熱が37度以上あることなど一定の症状があることだけを理由に、一律に社員を休ませる措置をとる場合のように、会社・上長の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。 3.感染者と近くで仕事をしていた社員や同居する家族が感染した社員を休業させる場合  さきほどのQでも述べたとおり、感染者と近くで仕事をしていた社員などの濃厚接触者でも、インフルエンザの症状がない場合は職務の継続が可能となると考えられます。  職務の継続が可能である社員について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。  なお、大規模な集団感染が疑われるケースなどで保健所等の指導により休業させる場合については、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。 ※なお、1から3において休業手当を支払う必要がないとされる場合においても、自宅勤務などの方法により社員を働かせることができるにも関わらず十分検討しないなど、会社として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがあります。



Q.新型インフルエンザ発生時において、職場または通勤途上で新型インフルエン ザに感染(死亡)したことが明らかとなった場合、労災保険給付の対象となりますか。
A.一般に、細菌、ウイルス等の病原体の感染によって起きた疾患については、感染機会が明確に特定され、それが業務または通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。


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