
【経営人事改革の視点】人間関係の悩みに対処する
<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>
人間関係は非対称的
人の悩みの大部分は、人間関係に関するものといわれています。
悩みの内容は、ハラスメントなどのトラブルのこともあるし、トラブルが起きているわけではないけれど、当事者にとってその状況がとにかくつらいというケースもあります。
相性が悪い上司のもとで働くのがしんどい人がいます。上司は攻撃的とまではいえず、ハラスメントがあるかといえばそうでもないけれど、日々圧力を感じていて心が削られるように思っています。
さて、人間関係という以上、少なくとも自分以外のもう一人の人間が存在します。ここで注意が必要なのは、人間はそれぞれ見ている風景が違うということです。自分が人間関係のトラブルが起きていると思っていても、相手はそのようには思っていないことが多いのです。
友人から頼まれて断れずにいくらかお金を貸したとします。必ず返すからという約束だったのですが、時々催促しても一向に返してくれません。
お金を貸した側からすれば、この状態を人間関係のトラブルと受け止めるでしょう。しかし、お金を借りた方は必ずしもそうではありません。お金を借りたことはときどき思い出すけれど、友人同士という関係はそのまま変わらないので、トラブルが起きているとは思っていない可能性があります。
お金も、返さないわけではなく、「今日はたまたま持ち合わせが少なくてそのタイミングでないだけなのに、どうして大げさに言ってくるのだろう」といった気持ちになっているかもしれません。お金を返さないのは単に非常識なわけですが、当人はそのようには思っていないのです。
最初の例でも、上司にしてみれば普通に部下に接していて、ときどき業務の進め方の指導をするけれど、対応に問題があるとはまったく思っていません。
一つの現実をはさんで二人の見方は正反対のものとなっています。この2つのケースと同様に、ほとんどの人間関係は非対称的なのです。
相手はどう見ているか
プロフィール
西川幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員
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