
【経営人事改革の視点】キャリアパスの妙味
<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>
新入社員の離職防止
新卒社員、あるいは若手の人材を採用しても、早期離職に至るケースが少なくありません。そうした場合、採用に係る直接的なコストの他、採用の手間や教育訓練などがすべて無駄になってしまいます。
若手社員の早期離職はとても残念なことですが、そうした際に「相性が悪かった」「長続きしない人を雇ってしまった」などといった総括で終わらせる企業が少なくないようです。もちろん、そのような事情がうかがえるケースもありますが、基本的には早期離職には何かしらの企業側の要因も存在するのです。
早期離職には様々な要因が存在しますが、社員の側の「見込み違い」もその一つです。会社の説明が十分でなかったり、一通りの説明は行っているものの、それが具体的にイメージされていなかったりすると、「こんなはずではなかった」という思い(リアリティショックと呼ばれています)が強くなって早期離職に至ることがあります。
このような「見込み違い」は早期離職の一定割合を占めていますが、これを防止するには、採用プロセスで業務の大変さを含めて十分な説明を行うとともに、現場も見せるなどして、イメージにギャップが生まれないようにすることが有効な対策になります。それによって入社に至らないケースも考えられますが、採用後に離職されるよりは企業の被害も少なくて済みます。
新入社員が戦力化してある程度の役割を果たすようになるには、一定の期間を要することが一般的です。だからといって、見習い未満のような期間が長く続くと、組織の中で自分が機能を果たしている、役に立っているという感覚を持てずに、とても居心地が悪くなります。
遅くとも3ヶ月以内には、何らかの業務を一人で行って一定の役割を果たすようにしていかなければなりません。そうした仕事がなければ、わざわざ作ってでもそれを実現する必要があるのです。
社員が希望するキャリアの実現
プロフィール
西川幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員
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