>>>【連載】医療機関の労務管理~押さえて安心!実務のポイント解説~
「奥さん、ちょっとお話があるんですけど……」
クリニックを始めてから、この言葉を何回聞いたことでしょう(遠い目)。
この言葉を聞くと、私はドキッとします。
なぜなら、その次に続く言葉は、
「退職したいんですけど……」
であることが、かなり多いからです(泣)。
医療機関の経営者や人事担当者の方なら、「分かる!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身、クリニックの運営に携わって10年以上になりますが、「採用に困らなかった年はない」と言っても過言ではありません。
どんなに職場がうまく回っているように見えても、人は辞めていきます。
そして、一人辞めることが決まると、
「大変!次の人を早く採用しなければ!」
と、すぐに求人を出したくなります。
でも、その求人、前回と同じものをそのまま出していませんか?
今回は、人が辞めたときに一度立ち止まって考えておきたいことと、次の採用につなげるための求人の見直しポイントをお伝えします。
人が辞めた!次の求人を出す、その前に
医療機関では、人材確保は大きな課題です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、令和7年度の有効求人倍率は、全国で看護師2.38倍、歯科衛生士2.78倍となっています。全職種の1.20倍と比べても、医療人材の採用が厳しい状況にあることが分かります。

求人を出せばすぐに応募が来る、という状況ではありません。そこで、「人材紹介会社にお願いするしかない!」となることもあるでしょう。
もちろん、人材紹介会社も有効な採用手段の一つです。急いで人材を確保したいときには、力を借りることも必要です。一方で、相応のコストもかかります。
厚生労働省が公表している職業紹介事業者の実績では、看護職の紹介手数料率は20~30%程度となっているケースが多くみられます。
例えば、年収400万円の人を採用した場合、紹介手数料は80万~120万円程度になる計算です。それだけの費用をかけて採用した人が短期間で辞めてしまえば、医療機関にとって大きな負担になります。
だからこそ、次の人を探す前に、「なぜ今回、退職することになったのだろう?」と、一度振り返ってみることも大切です。
もちろん、結婚や出産、転居、家族の事情など、職場ではどうすることもできない退職理由もあります。
一方で、人間関係や働き方、待遇などが理由であれば、今後に向けて改善できることが見つかるかもしれません。
採用が先?定着が先?
「採用が先か、定着が先か」。まるで「卵が先か、鶏が先か」のようですが、私はこの二つは切り離して考えられないと思っています。
人が足りなければ、新しい人を採用する。それと同時に、今いる職員が働き続けやすい職場に少しずつ整えていく。
「どうやって採用するか」と「どうすれば長く働いてもらえるか」私は、この二つを一緒に考えることが大切なのではないかと思っています。
では、次の採用では具体的に何を見直せばよいのでしょうか。
求人を出す前に確認したい3つのこと
採用にも定着にも「特効薬」はない
求人票を書き直せば必ず応募が来るわけではありませんし、給与を上げれば必ず人が辞めなくなるわけでもありません。
採用にも定着にも「これをすれば必ずうまくいく」という特効薬はありません。だからこそ、一度にすべてを変えようとせず、できるところから一つずつ見直していくことが大切です。
採用については、まず今使っている求人票を見直すことから始めてみませんか。
求人票をもう一歩、具体的に
今回のコラムでは、求人票を見直す際のポイントをご紹介しました。
10月29日に開催する「お金をかけずに採用できる!クリニック・歯科医院の求人戦略セミナー」では、ハローワークを活用した採用方法や、応募につながる求人票の具体的な作り方についてお話しします。
面接での見極めや採用後の定着についても取り上げます。「求人を出しても応募が来ない」「自院の魅力をどう伝えればよいか分からない」というクリニック・歯科医院の皆さまは、ぜひご参加ください。
【参照】
>>>【連載】医療機関の労務管理~押さえて安心!実務のポイント解説~
プロフィール
清水美穂
社会保険労務士・医療労務コンサルタント・ハラスメント防止コンサルタント・2級ファイナンシャルプランニング技能士
しみずハート社会保険労務士事務所 (https://www.sr-heart.com/)代表
同志社大学経済学部卒業。
山口放送のアナウンサーを経て社会保険労務士資格を取得。
現在は医療・介護・福祉分野を中心に顧問業務を行う一方、夫が院長を務める内科クリニックの事務長として、診療報酬請求や人事・労務管理にも携わっている。医療機関向け制度解説をYouTubeでも発信している。
アナウンサー経験を活かした、わかりやすい説明に定評がある。
【10/29オンライン】お金をかけずに採用できる!クリニック・歯科医院の求人戦略セミナー
内科クリニックの事務長×社会保険労務士が教える
応募につなげる求人票の作り方から、面接での見極め・採用後の定着まで
かいけつ!人事労務の人気連載コラム「医療機関の労務管理~押さえて安心!実務のポイント解説~」の執筆者でもある清水先生が、クリニックの採用現場での実体験を交えながら、求人票の作り方から面接での見極め、採用後の定着まで、実務にすぐ役立つポイントをお伝えします。看護師・歯科衛生士などの医療人材の確保にお悩みの方は、ぜひご参加ください。
※後日、30日間のアーカイブ(録画)配信をご用意しております。












