労政審の労災保険部会が論点整理 「遺族(補償)等年金における夫と妻の支給要件の差は解消することが適当」など

公開日:2025年12月19日

厚生労働省から、令和7年12月18日に開催された「第126回 労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」の資料が公表されました。

今回の部会において、「労災保険制度の見直しについて(これまでの論点整理について)」という資料が公表されています。

そのポイントは、次のとおりです。


<適用関係>
□ 暫定任意適用事業について
・暫定任意適用事業は廃止し、労災保険法を順次、強制適用することが適当。など

□ 特別加入制度について
・特別加入団体は、労働保険事務の処理等の重要な役割を担っていることから、その適格性を確保するため、特別加入団体の保険関係の承認や消滅の要件を法令上に明記することが適当。など


<給付関係>
□ 遺族(補償)等年金について
・遺族(補償)等年金における夫と妻の支給要件の差は解消することが適当。
・解消するに当たっては、被扶養利益の喪失の補填という観点を踏まえ、夫にのみ課せられた支給要件を撤廃することが適当。
・遺族(補償)等年金の給付期間については、現行の長期給付を維持することが適当。
・高齢や障害のある妻のみ特別に給付水準に差を設ける合理性はないことから、特別加算を廃止し、遺族の数に応じた給付水準にするという考え方から、遺族1人の場合における給付基礎日額を175日分とすることが適当。など

□ 消滅時効について
・労災保険給付請求権のうち、療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付等、消滅時効期間が2年である給付について、発症後の迅速な保険給付請求が困難な場合があると考えられる疾病を原因として請求する場合には、消滅時効期間を5年に延長することとし、まずは、脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病等について、対象とすることが適当。など


<徴収関係>
□ メリット制について
・メリット制が、労災かくし及び労災保険給付を受給した労働者等に対する事業主による報復行為や不利益取扱いに繋がるといった懸念について、その実態を把握し、その結果に基づき必要な検討を行うことが適当。など

□ 労災保険給付が及ぼす徴収手続の課題について
・事業主に早期の災害防止努力を促す等の観点から、労災保険給付の支給決定(不支給決定)の事実を、同一事故に対する給付種別ごとの初回の支給決定(不支給決定)に限り、労働保険の年度更新手続を電子申請で行っている事業主に対して情報提供することが適当。など


今後の動向に注目です。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<第126回 労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67472.html

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