
カスハラの被害者や取引先から損害賠償請求を受けたら、企業はどう対応するか
<榎本・藤本・安藤総合法律事務所 弁護士・中小企業診断士 佐久間 大輔>
自社従業員からカスハラ被害を受けた取引先の従業員やその遺族が加害者本人と加害者側企業に対して損害賠償請求をしてくることがある。
そのときは、被害者側との信頼関係を維持するため、被害感情を汲み取りつつ、迅速かつ誠実に対応する。取引先からカスハラ被害による損害の賠償請求を受けたときも同様である。適時適切な対応により、加害者側企業のレピュテーションリスクを下げられるだろう。
訴訟に至ったときの加害者側企業のリスク
自社の従業員が取引先の従業員に対してカスハラ言動をした場合、その被害者がうつ病を発病して休職や退職したことにより、加害者本人と加害者側企業に対して不法行為を理由に損害賠償請求をしてくることがある。また、カスハラ被害を受けた取引先の従業員が自殺したときは、その遺族が加害者側に損害賠償請求をしてくることも考えられる。
被害者側が損害賠償請求訴訟の提訴や判決の記者会見を行うと、その内容が報道され、さらにインターネット上でも広まり、加害者側企業にレピュテーションリスクが発生する。消費者、他の取引先、金融機関などステークホルダーの信用失墜が起こると、この外部環境の変化により営業機会の喪失や株価の低下などの損失を被るおそれがある。
いったん紛争が起これば、経営者としては、クライシスマネジメントの観点から対応することになる。しかし、法的紛争を解決するには、当事者双方にエネルギー消耗があり、コストや時間も掛かる。
また、仮に加害者側企業が勝訴したとしても、訴訟提起という変化に対応するには、人事労務担当者や担当部署の管理監督者に相応の負担が掛かる。加害者側企業としては、訴訟対応の負担もリスクの一つとして捉えるべきである。
このリスクを回避するために、どのような対応をすればよいのだろうか。
被害者や遺族から損害賠償請求を受けた際の対応方法
プロフィール
弁護士・中小企業診断士
著書は『管理監督者・人事労務担当者・産業医のための労働災害リスクマネジメントの実務』(日本法令)、『過労死時代に求められる信頼構築型の企業経営と健康な働き方』(労働開発研究会)など多数。
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