
医療機関の労務管理~押さえて安心!実務のポイント解説~
「患者さんだから仕方ない」で済ませない!
10月から義務化されるカスハラ対策 医療機関は何をすればいい?
<しみずハート社会保険労務士事務所 代表 清水美穂/PSR会員>
>>>【連載】医療機関の労務管理~押さえて安心!実務のポイント解説~
令和8年10月から、事業主にカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務付けられます。
もちろん、病院やクリニック、歯科医院などの医療機関も対象です。
医療現場では、患者さんやその家族等から医療従事者に対して行われるハラスメントを「ペイシェントハラスメント(ペイハラ)」と呼ぶこともあります。
「カスハラ対策と言われても、具体的に何をすればいいの?」そんな医療機関も多いのではないでしょうか。
今回は制度の説明だけでなく、患者さんとのトラブルが起きたときに、医療機関として職員をどう守るのかという実務の視点から考えてみたいと思います。
患者さんからの苦情=カスハラではありません
まず押さえておきたいのは、患者さんからのクレームすべてがカスハラになるわけではないということです。
厚生労働省のマニュアル(※1)では、カスハラに当たるかを考える際に、
- 患者さんの要求内容に妥当性があるか
- その要求を実現するための手段・態様が社会通念上相当なものか
という観点から判断し、その言動によって職員の就業環境が害されるものがカスハラに当たります。
例えば、
「予約したのに、なぜこんなに待つのですか?」
「私より後から来た人が先に呼ばれたのはなぜですか?」
こうした不満を伝えたり、説明を求めたりすること自体はカスハラではありません。
一方で、大声で怒鳴る、人格を否定するような言葉を浴びせる、長時間拘束する、同じ要求を何度も繰り返す、脅迫するといった行為に発展すれば、話は変わってきます。
厚生労働省のマニュアルでも、長時間拘束型、リピート型、暴言型、暴力型、威嚇・脅迫型、SNS・インターネット上での誹謗中傷型など、さまざまな類型が示されています。
主なカスハラ(ペイハラ)の類型と対応例
>>>【連載】医療機関の労務管理~押さえて安心!実務のポイント解説~
プロフィール
清水美穂
社会保険労務士・医療労務コンサルタント・ハラスメント防止コンサルタント・2級ファイナンシャルプランニング技能士
しみずハート社会保険労務士事務所 (https://www.sr-heart.com/)代表
同志社大学経済学部卒業。
山口放送のアナウンサーを経て社会保険労務士資格を取得。
現在は医療・介護・福祉分野を中心に顧問業務を行う一方、夫が院長を務める内科クリニックの事務長として、診療報酬請求や人事・労務管理にも携わっている。医療機関向け制度解説をYouTubeでも発信している。
アナウンサー経験を活かした、わかりやすい説明に定評がある。
本コラムをお読みの方にオススメの「ペイシェントハラスメント対策」コンテンツ
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