【実務コラム】iDeCoプラスへの期待

公開日:2019年12月10日

iDeCoプラスの正式名称は「中小事業主掛金納付制度」です。名称にあるように中小事業主のための制度で、iDeCoに加入する従業員を対象に、掛金をプラスして(国民年金基金連合会に)納付する制度で、2018年5月にできました。

なぜ、iDeCoプラスはできたのでしょう。
日本の年金制度は、サラリーマンにとって1階部分が基礎年金、2階部分が厚生年金、3階部分が企業年金と言われてきました。しかし、適格退職年金や厚生年金基金の廃止によって、多くの中小企業が企業年金を止めてしまいました。公的年金は徐々に給付水準が下がっていくため、企業年金がない中小企業に勤める従業員にとって、企業年金に変わる年金を自分で準備しないと、老後の生活が不安定になってしまいます。その役割を期待されているのがiDeCoです。

iDeCoは、掛金が全額所得控除になるほか、運用利益も非課税で税制メリットがとても大きい年金です。60歳まで引き出しできないことが普及を阻害しているように言われますが、逆に引き出しできないことで、公的年金を補完する役割が期待でき、国もその普及を推進しています。なお、iDeCoの加入者は2019年9月時点で138万人と、それなりに普及してきていますが、貯蓄奨励策の先輩格であるNISAの1,300万口座と比べると、まだまだ物足らない状況です。

そこで、企業年金のない中小企業の従業員がiDeCoに加入しやすいよう、事業主が後押しする制度としてiDeCoプラスができました。一定水準のガバナンスの確保を求められる企業年金は実施できないが、掛金を上乗せするだけならできる、という中小企業は多いのではないでしょうか。

現在、iDeCoプラスを実施可能な企業は100人以下に限られていますが、それでも847万事業所、1,607万人の巨大マーケットです。その3割で実施されると、250万事業所、500万人になります。今後、適用対象を300人以下に広げる改正が予定されており、それも加えて3割が実施すると、250万事業所、660万人になります。
このように、iDeCoプラスの対象マーケットは大きく、これからの普及が楽しみな制度といえましょう。

ideco

(2019/12/10 明治安田生命保険相互会社 法人営業企画部 浦嶋良日留)

国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト
「中小事業主掛金納付制度(愛称「iDeCo+」(イデコプラス))の概要と実施までの流れ 」
≫ https://www.ideco-koushiki.jp/owner/#Small_business_flow

 

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