
医療機関・介護施設の給与&人事
病院における同一労働同一賃金の進め方
<AIP経営労務合同会社 代表 大澤 範恭>
令和8年10月の「同一労働同一賃金ガイドライン」改正により、雇入れ時の説明要求権の明示が義務化され、不合理な待遇差への点検と説明体制の構築が急務となっています。
多職種や多様な雇用形態が混在する病院現場において、法的リスクを回避しつつ医療人材の確保とチーム医療の質向上を両立させるため、各種手当や待遇の見直し基準、職種別の具体的事例、および実務対応のロードマップをわかりやすく解説します。
1.なぜ今、病院で「待遇差の見直し」が緊急課題なのか
医療現場では、医師の働き方改革にともなうタスクシフト・シェアの推進により、看護師やコメディカルの業務負荷や責任が著しく増大しています。
一方で、同じ業務を担いながら雇用形態(常勤・非常勤・パート等)の違いのみで待遇に格差が残されているケースが多く見られます。
看護師等の離職理由の多くが給与や評価への不満であり、不合理な待遇差の放置は採用難や人材流出に直結します。さらに、「同じ仕事をしているのに待遇が違う」という不満は組織の分断を招き、チーム医療の質や医療安全を脅かす要因となります。
2.令和8年10月改正ガイドラインと判断基準のポイント
令和8年10月1日施行の改正における最大のポイントは、パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れる際、労働条件通知書等に「待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる旨(説明窓口・説明要求権)」の明示が義務化される点です。これにより、職員からの問い合わせが急増することが予想されます。
プロフィール
大澤 範恭(おおさわ のりやす)
AIP経営労務合同会社 代表(https://www.aip-sr.jp/)
認定登録医業経営コンサルタント、特定社会保険労務士、行政書士
国際コーチング連盟(ICF)ACC(アソシエイト認定コーチ Associate Certified Coach)
(公社)日本医業経営コンサルタント協会埼玉県支部理事
埼玉県医療勤務環境改善支援センター医業経営アドバイザー
1982年 東京大学法学部卒業、厚生省(当時)入省
2017年 35年間在職した厚生労働省を退職
2018年 AIP社会保険労務士・行政書士事務所を開業
2019年 AIP経営労務合同会社を設立、医療・介護専門の人事・労務コンサルティングに従事
著書「医療機関・介護施設の”給与&人事“改革マニュアル(令和7年12月発刊 医学通信社)」
「医師の働き方改革実践ハンドブック(令和4年7月発刊 日本法令)」
「医師の時間外労働規制 関係法令通達集(令和5年10月発刊 日本法令)」











