平成28年の熱中症予防対策も万全に!

公開日:2016年7月14日

  厚生労働省は、平成27年の「職場での熱中症による死傷災害の発生状況」を取りまとめ、公表しました。
 この結果を踏まえて、平成28年の職場における熱中症予防対策にも万全を期すよう、通達を発出するなどして呼びかけています。概要をみておきましょう。

熱中症予防対策のポイント

<平成27年状況>
 昨年(平成27年)の職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は464人と、平成26年よりも41人多く、うち死亡者は29人と、前年より17人増加しています。近年の熱中症による死傷者は、猛暑だった平成22年の後も、毎年400~500人台で高止まりの状態にあります。
 業種別に死傷者をみると、建設業が最も多く、次いで製造業で多く発生しています。
 平成27年に熱中症で死亡した29人の状況をみると、WBGT値(※)の測定を行っていなかった(28人)、計画的な熱への順化期間が設定されていなかった(26人)、自覚症状の有無にかかわらない定期的な水分・塩分の摂取を行っていなかった(17人)、健康診断を行っていなかった(13人)など、基本的な対策が取られていなかったことが分かります。
※WBGT値(Wet Bulb Globe Temperature)とは、気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数のことです。

<平成28年の熱中症予防対策>
 今年の夏は、特に西日本で気温が平年並みか平年より高くなることが見込まれ、熱中症による労働災害が多く発生することが懸念されています。
 厚生労働省は、平成28年の職場における熱中症予防対策については、平成27年に死傷災害が多く発生している建設業と屋外で作業する警備業を重点業種として実施することとしています。

<屋内業務でも要注意/事務所の室内温度について>
 事務所の室温について、事務所衛生基準規則第5条第3項により、事務所に空気調和設備を設けている場合は、室温が28度以下になるよう努めなければならないとされています。
 自主的に節電を実施する場合でも、これを目安に温度設定をすることが無難でしょう。

☆ 厳密に熱中症予防対策を講ずることをお考えの場合は、気軽にご相談ください。通達などにおける重要事項を説明させていただきます。
なお、業種を問わず、少なくとも、次の熱中症予防の基本はおさえておきましょう。
●水分・塩分補給⇒こまめな水分・塩分の補給を心がけるように指導しましょう。
注.高齢者や障害者の方には特に注意が必要です!
●熱中症になりにくい室内環境⇒室温が上がりにくい環境を確保しましょう。こまめな換気、遮光カーテン・すだれの活用、散水などが効果的(通風が悪い場所での散水については、散水後の湿度の上昇に注意してください)。
注.決して無理な節電はせず、適度に扇風機やエアコンを使用するようにしましょう。
●体調に合わせた対策⇒通気性の良い衣服、吸湿・速乾の衣服を着用するように指導しましょう。必要に応じて、保冷剤、氷、冷たいタオル等を使用し、体を冷却するように心がけることも指導しましょう。
●外出時の準備⇒帽子の着用、日傘や日陰の利用、こまめな休憩等、暑さを避ける工夫をするように指導しましょう。

 

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