【専門家の知恵】赤字・債務超過企業の融資

公開日:2022年9月28日

  赤字や債務超過企業は、資金繰りが苦しく資金ショートに陥る可能性が高いにもかかわらず、 資金調達に困難する状況にあります。本稿では、赤字・債務超過企業の資金調達についてみていきます。

 

政府系金融機関

 一般に融資と言えば民間金融機関と考えがちですが、融資を行う金融機関には政府系金融機関もあります。政府系金融機関は敷居が高いと思い込んでおられる経営者の方も多いためか、政府系金融機関と取引のある企業は意外と少ないのです。

 政府系金融機関には、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫(商工中金)の2機関があり、セーフティネット融資や再生融資(一時的な運転資金や災害復旧資金の貸付、経営再建資金の貸付)はよく知られています。

 さらに、金融機関の「貸し渋り」にあっているなど一定の要件に当てはまる中小企業に対しては、「特別貸付制度」による支援も行っています。融資制度の種類や詳細は下記のURLで確認してみてください。

・日本政策金融公庫
 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index.html

・商工組合中央金庫(商工中金)
 https://www.shokochukin.co.jp/corporation/service/raise/

 

地方自治体

 都道府県から市町村まで様々な融資制度が用意されています。地方自治体の融資制度は国の中小企業支援策に沿った内容となっています。地方自治体の制度融資には次の2大メリットがあります。

1.金利が安い

 地方自治体の制度融資では金利が低く設定されています。さらに利子補給や信用保証料の補助などの優遇措置を用意している地方自治体もあります。
 少ない利子負担という点で制度融資はとても魅力があります。

2.元本返済の猶予期間

 制度融資には、元本の返済が猶予され、利息分のみの支払いで済む期間、据置期間の設定があります。「融資条件:返済期間10年、据置期間2年」という条件の融資であれば、返済期間は全体で10年となります。「返済期間10年+据置期間2年=12年間で返済」とは残念ながらなりません。措置期間である最初の2年間は利息分のみを支払えばよく、その後の8年間が元本と利息を返済していく期間となるわけです。

 

経営革新の活用

 中小企業診断士などの専門家の支援を受けて、新事業活動促進法に基づく経営革新計画の承認を取得できれば、経営革新の支援措置である低利融資制度や補助金制度を活用するこが可能となります。

 


執筆者

税理士 田中利征

税理士、経営財務コンサルタント/田中税務会計事務所長/企業家サポートセンター 代表/戸田市経営アドバイザー


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