「高額療養費制度の見直しの基本的な考え方」を公表(厚労省の専門委員会がとりまとめ)

公開日:2025年12月16日

厚生労働省から、「高額療養費制度の見直しの基本的な考え方」が公表されました(令和7年12月16日公表)。

これは、「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会(計8回開催)」における議論の結果をとりまとめたものです。

そのポイントは、次のとおりです。
【年齢にかかわらない応能負担に基づく制度の在り方】
●現行の高額療養費制度の所得区分は、あまりにも大括りな制度になっていると言わざるを得ず、応能負担の考え方を踏まえた制度設計という観点からは改善の余地がある。
そのため、所得区分を細分化(住民税非課税区分を除く各所得区分を、例えば3区分に細分化)し、所得区分の変更に応じて限度額ができる限り急増又は急減しないようにする制度設計とすることが適当である。

●また、70歳以上の高齢者のみに設けられている外来特例については、現役世代の保険料負担軽減という観点からも、制度の見直し自体は避けられないという方向性で概ね一致した。
具体的には、月額上限・年額上限のそれぞれについて、応能負担という視点を踏まえた限度額の見直しを行うとともに、医療保険部会における高齢者の負担の在り方の議論の状況を踏まえた上で、対象年齢の引き上げも視野に入れて検討すべきである。

【セーフティネット機能としての高額療養費制度の機能強化】
●高額療養費制度は、特に療養期間が長期にわたる患者にとってなくてはならない制度である。
こうした観点から、多数回該当の限度額については現行水準を維持するべきである。
加えて、仮に多数回該当以外の限度額を見直した場合、限度額(例えば、現在の月80,100 円+医療費の1%)に到達しなくなり、その結果、長期療養が必要であるにもかかわらず多数回該当から外れてしまう方が発生するため、そのような方の医療費負担が過重なものとならないよう、新たに患者負担に「年間上限」を設けることも考えられ、高額療養費の限度額に該当しない方も含めて制度の対象とすることも検討すべきである。

●また、例えば、年収200万円未満で「仕事と治療を両立しつつ、長期にわたり療養されているような方」の経済的負担は、現行制度でも大変厳しい状況にあるため、例えば、所得区分を細分化し、よりきめ細かい制度とする際には、そのような方の経済的負担に特に配慮することも検討すべきといった意見もあった。

なお、基本的な考え方が示されましたが、具体的な金額(限度額)等については、医療保険制度改革全体の議論を踏まえて設定すべきであるとされています。
また、施行時期については、国民・医療関係者への周知、保険者・自治体の準備(システム改修等)などを考慮すると、一定の期間が必要であり、来年(令和8年)夏以降、順次施行できるよう、丁寧な周知等を求めたいとしています。

今後の動向に注目です。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」とりまとめ>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67332.html

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