2024年法改正情報まとめ特集

 

2024年も企業の実務に大きく影響のある法改正があります

2024年も、労働契約の締結や更新の際に、就業場所・業務の変更の範囲の明示等が求められる「労働条件明示ルールの変更」や、現在、運送業・建設業・医師に対し適用が猶予されている「時間外労働上限規制の全面適用」、社会保険の適用が従業員数51人以上100人以下の企業に拡大されるなど、実務に影響が大きい重要な法改正が続きます。

対応の準備は進んでいらっしゃるでしょうか?

特に企業の対策が必要な法改正の実務と注意点を整理!

本特集では、特に企業の現場で対応が求められる法改正について、その内容や具体的な対策・注意点など、実務に必要な知識や参考になる情報を社会保険労務士のコラム記事やセミナー、お役立ちツールなどからピックアップしてまとめました。ぜひ実務にお役立てください。

 

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【専門家コラム】健康保険証が発行されなくなる! ~マイナンバーカードがマイナ保険証に~

 

【専門家コラム】40人以上の企業は要チェック!4月から障害者法定雇用率が引き上げられます

 

 

 

労働条件明示ルールの変更(2024年4月~)

2024年4月以降、すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「将来の配置転換などによって変わり得る就業場所・業務の範囲」についての明示が必要となります。これにともない、労働条件通知書の様式変更が必要になります。

また、有期契約労働者を雇用している場合には、有期労働契約の締結時と契約更新のタイミングごとに「更新上限」の明示、無期転換を申し込みする権利が発生する更新のタイミングごとに、「無期転換申込機会」および「無期転換後の労働条件」の明示が追加されます。就業規則の改定が必要になるケースもありますので、 早めに自社の方針を明確にしておくべきでしょう。

本特集では、改正内容を押さえる上でまず理解しておきたい労働契約の基礎知識とともに、法改正対応のポイントや実務上の注意点をまとめました。

労働条件明示ルール2024改正特集

 

時間外労働上限規制の全面適用 (2024年4月~)

労働基準法では、労働時間は原則として、1⽇8時間・1週40時間以内、また、休⽇は原則として、毎週少なくとも1回与えることとされており、法定労働時間を超えて労働者に時間外労働をさせる場合や法定休⽇に労働させる場合には、「労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結」「所轄労働基準監督署⻑への届出」が必要です。

この36協定については、2019年4月(中小企業は2020年4月)から、時間外労働の上限が法律に規定され、適用されていますが、建設業、運送業、医師等適用猶予事業・業務については、長時間労働を背景に、業務の特性や取引慣行の課題があることから、時間外労働の上限について適用が5年間猶予されていました。

この適用猶予中の時間外上限規制が2024年4月より全面適用になります。

参考コラム:【専門家の知恵】2024年4月から全面適用に。建設業の「2024年問題」対策

 

障害者の法定雇用率の段階的な引き上げ開始(2024年4月~)

障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則等の改正により、障害者の法定雇用率は段階的に引き上げられ、2024年4月より2.5%、2026年7月より2.7%となります。

現在、民間企業の障害者の法定雇用率は2.3%となっており、従業員43.5人以上の事業主は障害者を1人雇用しなければならないとされていました。法改正に伴い、2024年4月からは、障害者を1人雇用しなければならない事業主の範囲は「従業員40人以上」、2026年4月からは「従業員37.5人以上」に範囲が広がります。

合わせて、法定雇用率の算定において、週所定労働時間10時間以上20時間未満で働く重度の身体・知的障害者、精神障害者1人につき、0.5カウントとして算定できるようになります。さらに障害者雇用のための事業主支援を強化する助成金の新設・拡充等が行われる予定で、詳細が決まり次第発表される予定となっています。

厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」(PDF)

 

【専門家コラム】40人以上の企業は要チェック!4月から障害者法定雇用率が引き上げられます NEW!

執筆:社会保険労務士法人SOPHIA 代表 松田法子

昨年12月に厚生労働省が公表した「令和5年障害者雇用状況」の集計結果によると、雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新し、雇用障害者数は64万2,178.0人、対前年比4.6%増加、実雇用率は2.33%、対前年比0.08ポイント上昇したそうだ。

雇用する従業員が一定数以上の規模の事業主は,従業員に占める障害者の割合を法定雇用率以上にしなければならない。法定雇用率は令和6年4月に引き上げられ、40人以上の企業は対応が必要となる。今回は障害者雇用率の引上げ等改正内容と国の支援について解説する。

>>>つづきはこちら

 

従業員数51人以上100人以下の企業における社会保険の適用拡大(2024年10月~)

 

2016 年 10 月以降、適用となる企業の範囲は段階的に拡大されてきており、現在、従業員数 101 人以上500人以下の企業において、一部のパートやアルバイトの方の社会保険の加入が義務化されています。

さらに2024年10月以降は、従業員数51人以上100人以下の企業に適用が拡大されることになり、多くの中小企業で対応が迫られることとなりました。

本特集では、社会保険適用拡大の実務的な対応に加えて、企業として適用拡大にどのように取り組んでいったらいいのかについて考えていきます。

短時間労働者の社会保険適用拡大特集

 

フリーランス・事業者間取引適正化等法の施行(2024年秋ごろまでに施行予定)

「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(いわゆるフリーランス保護法)が2023年4月28日に可決成立、5月12日に公布されました。2024年秋ごろには施行される予定です。

この法律は、フリーランスを保護するための法律となっており、個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等様々な措置が義務付けられることになります。

この法律には50万円以下の罰則も規定されていますので、フリーランスと取引を行う企業は注意が必要です。

参考コラム:【専門家の知恵】いわゆる「フリーランス新法」が成立。企業が今から準備しておくことは?

参考:厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」

 

健康保険証の発行終了、マイナンバーカードとの一体化(2024年12月2日~)

デジタル社会の基盤であ るマイナンバー、マイナンバーカードについて国民の利便性向上等の観点から、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)等や医療保険各法・国民健康保険法等の一部が改正され、健康保険証とマイナンバーカードが一体化されることとなりました。

2024年12月2日で健康保険証の発行が終了になります。なお、発行済みの健康保険証は、経過措置として2025年12月2日までは利用可能になります。

 

【専門家コラム】健康保険証が発行されなくなる! ~マイナンバーカードがマイナ保険証に~  NEW!

執筆:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 北條孝枝

健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードが「マイナ保険証」です。このマイナンバーカードと健康保険証の一体化により、2024年12月2日以降は、健康保険証は新たに発行されず、「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移行することになりました(2023年のマイナンバー法の改正により決定)。

実務にはどんな影響があるでしょうか。ポイントを解説いたします。

>>>つづきはこちら

 

オンデマンド配信:2024年法改正実務セミナー

【2024年法改正セミナー】無期転換ルール・労働条件明示・裁量労働制見直しの対応ポイント 

講師:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 北條孝枝

2024年4月施行の法令等の改正によって対応必須となった、無期転換ルール、労働条件明示ルール、裁量労働制見直しについて、法改正の内容や対応しておくべき注意点、考えられるリスクと対応方法を解説するオンラインセミナーです。

社会保険労務士として数多くの企業の労務管理に携わる株式会社ブレインコンサルティングオフィスの北條孝枝が、実務担当者の目線でわかりやすくポイントを説明しています。「労働条件通知書に添付する就業規則抜粋の書き方例」の特典もあります。ぜひご視聴ください。

※本WEB配信セミナーは2023年10月18日に開催したオンラインセミナーを収録したものです。

詳細・視聴申し込みはこちら≫ https://www.kaiketsu-j.com/ondemand_detail/?id=1058


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