これまで2回にわたり、育成就労制度を「人材投資」の観点から見てきました。
そして、育成就労3年後の着地点として描かれている在留資格が特定技能になります。
今回は特定技能を取り上げ、自社の受入れ戦略にどう組み込むかを考えていきます。
特定技能1号と2号の決定的な違い
特定技能には、「1号」の在留資格と「2号」の在留資格があり、その差は外国人材にとっても企業にとっても決定的なものがあります。
1号は在留期間の通算上限が5年で、家族の帯同は認められていません。「相当程度の知識・経験」を持つ人材が対象で、後述する各種の支援が企業に義務づけられます。
一方の2号は、在留期間の更新に上限がなく(事実上、無期限に働き続けられます)、要件を満たせば家族の帯同も可能です。求められる技能の水準は「熟練」へと上がり、義務的な支援は原則不要となります。
つまり2号は、腰を据えて長く日本で暮らし、働いてもらうための資格です。外国人材が自社に定着してもらうために企業が行う数々の手立ては、究極的にはこの2号という到達点があるからこそ意味をなします。
逆にいえば、2号という出口を意識せずに1号だけを見ていると、「5年で帰ってしまう人材」としか向き合えなくなってしまいます。
分野は広がるが、受け入れ人数枠に注意
特定技能の対象分野(特定産業分野)は拡大を続けています。2024年に自動車運送業・鉄道などが加わって16分野となり、2026年1月にはさらに3分野の追加が決まりました(新3分野の受入れ開始は2027年頃の見込みです)。
さらに直近(2026年9月)で言えば、警備業を加えるかについても議論が始まりました。
特定技能の在留資格について
プロフィール
大塚陽太郎
大塚社会保険労務士事務所(https://www.sr-otsuka.tokyo/) 社会保険労務士
約30年間、厚生労働省にて雇用の安定に向けた取組に多様な立場で関わる。コロナ禍での技能実習生の援助や、労働者派遣事業・職業紹介事業の指導監督を通じ、第一線の課題を把握しつつ事業適正化に取り組む。障害者雇用の制度運営や、職業訓練施策の企画にも携わる。
令和7年3月に厚労省を早期退職し、5月に社会保険労務士事務所を開設。オーダーメイドでの支援、経営者・従業員がともに輝く職場づくり、丁寧・迅速がモットー。

【人事担当者のための外国人雇用の制度と実務】










