【専門家の知恵】『誰もが働きやすい環境』をつくる職場のキーパーソン。どのような人が考えられるのか?

公開日:2024年1月8日

 

『誰もが働きやすい環境』をつくる職場のキーパーソン。どのような人が考えられるのか?


<ごとう人事労務事務所 後藤和之/PSR会員>

「職場の人間関係が良好かどうか?」それは時代が変わり続けても、充実した職業人生を送る上で、大きなウェイトを占めていることに変わりはありません。そして、職場で1人の人間が入れ替わるだけで、職場の雰囲気がまったく違うものになることを経験された方も多いのではないでしょうか。

今回は、職場の雰囲気をつくるキーパーソンは、どのような人なのかを考えていきます。

 

職場の雰囲気をつくるキーパーソン「感受性が強い人」

まず「広辞苑(第7版)」では『感受性』を次のように説明しています。今回ご紹介する『感受性』は、①の意味です。

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【感受性】 
①外界の印象を受けいれる能力。物を感じとる力。感性。
②生物体において、環境からの刺激、特に薬剤や病原体により感覚または反応を誘発され得る性質。受容性。

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感受性が強いかどうかは、明確な境界線があるわけではありませんが、一般的にどこか内気な印象があったり、物事を深く考えすぎてしまったりするような、とても繊細な方が考えられます。

アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士は、「とても感受性が強い人」を『HSP(Highly Sensitive Person)』と提唱し、約5人に1人がそのような資質を持っているとしています。

具体的には「暴力的な映像は苦手」「大きな声を出されるのが苦手」などのような方がいれば、とても感受性が強い方かもしれません。職場の人間関係においては「周りの目を気にする傾向がある」「慎重に言葉を選んでいる」などのような方も、同じようなことが言えるかもしれません。

基本的には『HSP』は少数派であり、敏感に物を感じ取ることができるので、生きづらさを感じたり、ストレスが溜まりやすかったりする傾向にあると言われています。

一方で、ある程度の人数が集まれば、そのうちの誰かは「感受性が強い人」かもしれませんので、その特性をいかせば『誰もが働きやすい環境』をつくる職場のキーパーソンとなる可能性を秘めています。

 

「感受性が強い人」の特徴を知り、『誰もが働きやすい職場環境』を目指そう!

それでは、実際に「感受性が強い人」の特徴をご紹介します。

ただし、感受性が強い内容は人それぞれですので、必ずしもすべてあてはまるとは限りません。その人の特性を知る上での1つの手掛かりとしてご参考ください。

特徴①:「他人のつらさ」が「自分のつらさ」のように感じてしまう場合も

指導する相手が繊細である場合、厳しすぎる指導を避けたり、物事をはっきり言うことを避けたりすることは、みなさんの経験の中でもあるかもしれません。

しかし「感受性が強い人」の中には、『他人のつらさ』が『自分のつらさ』のように感じる人もいます。

例えば、上司が厳しい口調で1人の部下を叱った場合に、その様子を見るだけで指導を受けた本人よりも『つらい』と感じる人もいます。上司としては、他の部下の気持ちも汲んで、1人の部下を叱ったつもりでも、それが逆効果になる場合もあるということです。

特徴②:「空気を読むこと」ができる。それを‘’強み‘’にできれば、最大限の能力を発揮する!

しかし、日々の忙しい仕事の中で「感受性が強い人」に対して、常に細かい気配りを続けるのも、なかなか難しいものです。また「感受性が強い人」に合わせて、指導する側も「感受性を強くする」と、互いに気を遣い過ぎることにもなりかねません。仕事をする上で大事なことは「互いに信頼すること」です。

感受性が強い人は「空気を読むこと」ができる場合が多いです。

「空気を読むこと」の過度なストレスを軽減できれば、類まれなる集中力を発揮し、効率的に仕事を遂行することにつながります。また、周りの空気を読み、どのタイミングで動けば、仕事が上手くいくかを感じ取ることができるので、信頼していることを伝えた上で、仕事を任せると大きな成果につながることもあります。

一方で、上司が細かすぎる指示を出し過ぎたり、上司の負の感情を感じ取ったりすると「空気を読むこと」が“弱み”になってしまい、仕事が滞ってしまう場合もあります。

感受性が強い人が「空気を読むこと」を“強み”にし、その能力を最大限に発揮することができれば、職場の生産性が大きく向上していきます。

特徴③:「自らが働きやすい環境」=「誰もが働きやすい環境」と感じることも

「感受性が強い人」は、「共感力が強い人」でもあります。

特徴①で示した「他人のつらさ」が「自分のつらさ」に当てはめて考えると、「他人の幸せ」が「自分の幸せ」のように感じる傾向もあります。

つまり「自らが働きやすい環境」を実現するために「他人(誰も)が働きやすい環境」を目指す傾向があるということです。一人ひとりの職場の人たちの細かい言動を敏感に察知し、さりげなく必要なフォローをすることができる能力を秘め、職場内の『人』と『人』とをつなげる存在になり得るのです。

人間関係が上手くいっている部署があれば、もしかしたらその部署には「感受性が強い人」がいるかもしれません。そのような人たちの日常の言動を探っていけば、「誰もが働きやすい職場」を他の部署にも広げることができる大きなヒントもまた見つかるかもしれません。

 

プロフィール 

後藤和之
ごとう人事労務事務所(https://gtjrj-hp.com
社会福祉士・社会保険労務士 
 
昭和51年生まれ。日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究科卒業。約20年にわたり社会福祉に関わる相談援助などの様々な業務に携わり、特に福祉専門職への研修・組織内OFF-JTの研修企画などを通じた人材育成業務を数多く経験してきた。現在は厚生労働省委託事業による中小企業の労務管理に関する相談・改善策提案などを中心に活動している。

 

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