
【経営人事改革の視点】同調圧力とは何か
<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>
同調圧力に関する実験
「人はどの程度、集団の意見に同調してしまうのか」を調べた実験があります。社会心理学者のソロモン・アッシュが1950年代に行ったものが有名です。
被験者は数名のグループで参加しますが、本物の被験者は1名だけで、残りはサクラ(協力者)です。実験には数名が参加しました。参加者には非常に簡単で間違いようがない問題を与えられます。
参加者は回答を順番に口頭で答えていき、最後に本当の被験者が答えます。簡単な問題なので誰も間違わず、そうした質問、回答が何度か繰り返されます。その後、明らかに簡単な問題であるにも関わらず、他の参加者(サクラ)全員が間違った回答を示します。
このような実験を繰り返した結果、多くの本物の被験者が、明らかな間違いを認識しながら、「集団の意見」に同調して間違った回答を述べる傾向があることが判明しました。
そのほか、判明した興味深い事実があります。
1人対1人(サクラ1人)の場合、被験者はほとんど同調せず、1人対2人(サクラ2名)の場合、同調が始まります。そして1人対3人(サクラ3名)の場合、被験者の約75%が少なくとも1回は周囲に合わせて明らかに間違った回答を選んだのです。一方で、サクラを4人以上に増やしていっても、同調率はほとんど増加しないという事実も確認されました。
これにより、サクラが3人いれば同調効果はほぼ最大になることがわかったのです。
つまり、3人という人数が集団の圧力を形成するのに十分な閾値であり、それ以上人数を増やしても被験者が感じる圧力の強さは変わらないということです。2人までは個人の集まりですが、3人そろうと「多数」となるのです。後にこの3人という人数は「社会の最小単位」と見なされるようになりました。
その見方からすると、3人が同じ見解を述べるということは、社会的な合意があるというように解釈できます。社会的な合意に対して自分が別の意見を言おうとした場合、葛藤にさらされ、自分が社会の中で孤立するという恐怖を感じる可能性があるのです。
同調性を乗り越える議論文化
プロフィール
西川幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員
このページをお読みの方におすすめの「管理職の育成」関連コンテンツ
新任管理職・中間管理職のマネジメントスキルを向上するかいけつのお役立ちコンテンツ特集
部下の指導・評価・面談の進め方から、ハラスメント防止、メンタルヘルス対応まで、社内研修や日常の育成場面で使いやすく、現場での行動につなげやすいコンテンツを一覧でご紹介!
管理職の育成を、現場で実践し続けられる形で整えたい企業のご担当者さまにおすすめの特集です。










