
【経営人事改革の視点】サイコパス社員から会社を守る
<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>
サイコパスの存在
サイコパスと呼ばれる人たちがいます。サイコパスは脳の一部の働きが一般の人と少し違うため、共感性が低く、恐怖や不安を覚えにくいといった特徴があります。
人間は、他人の痛みや悲しみを「自分のことのように感じる」共感性を有していますが、サイコパスの場合はその機能が弱く、そうした場面にあっても心が動きません。脳の扁桃体の働きが弱く恐怖や不安を覚えにくいこともあり、リスクや法を犯すことに対するブレーキがききにくいといった特徴もあります。そして、前頭前野による感情の抑制機能が弱いことから、「衝動的に行動する」傾向があります。
サイコパスであることと知能の高さは無関係であると考えられており、サイコパスの中には、数多くの殺人を犯すような最悪のケースもある一方で、社会的に大きな成功を収めるケースもあります。共感性を欠き、罪悪感を覚える回路が働きにくいため、自分の利益のために他人を利用することにためらいがないといった特徴も生まれる一方で、表面上は社交的、魅力的であることも多いため、その影響力は大きくなりがちなのです。
サイコパスは、人口の1%程度は存在すると考えられており、サイコパスの度合いが強くないマイルド・サイコパスと呼ぶべきタイプでも、4~5%程度は存在するという見方もあります。
つまり、ある程度の規模の会社であれば、サイコパス、マイルド・サイコパスは必ず存在すると考えるべきなのです。
組織をどのようにして守るか
プロフィール
西川幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員










