【専門家コラム】経営人事改革の視点~内集団と外集団

公開日:2024年10月15日

 

 

[経営人事改革の視点]内集団と外集団


<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>

 

内集団バイアスとは

内集団・外集団という概念があります。内集団とは、自分が所属している、あるいは心理的に近いと感じる集団で、外集団とは自分が所属していない、あるいは心理的に距離を感じる集団のことをいいます。

人間は、何らかの集団に所属していることが一般的で、学校や会社などのフォーマルな集団もあるし、仲のよいグループといったインフォーマルな集団のこともあります。

人間は、内集団に所属するメンバーに対してはポジティブな評価や感情を持ちやすく、そのメンバーを優遇する傾向が見られます。

この傾向は「内集団バイアス」、「内集団びいき」などと呼ばれています。逆に、外集団に対してはネガティブな評価や感情を持ちやすいという特徴があるのです。

ある有名な実験があります。

この実験で、実験参加者はまったく意味のない基準に基づいてランダムに2つの集団に分けられました。

参加者は自分の所属集団は教えられたうえで、所属集団と個人番号以外は何も知らされていない複数の相手に対して、報酬を分配する課題が与えられました。

この実験の結果として、参加者は同じグループのメンバーに対してより高い報酬を与え、異なるグループのメンバーに対しては低い報酬を与える傾向が顕著に見られました。

ランダムに割り当てられた集団に所属し、集団間に利害関係どころか接触すらないにも関わらず、自分の所属する集団に対して好意的になり、そのメンバーを優遇する傾向が確認できたのです。

つまり人間は、内集団に対しては仮に理由がなくても好意的になる一方で、外集団には否定的になるという傾向性を持つことがわかります。

内集団びいきの傾向性は、幼い子どもの段階からみられ、内集団の仲間が明らかに間違いとわかる判断を下した時でも、とりわけその仲間が自分を見ている場合には、その判断に同調し追随することが多いということがわかっています。

幼い子どもの段階からその傾向性が見られるということは、内集団バイアスは人類共通の生得的な傾向である考えられるのです。

トヨタグループの不正問題

 

プロフィール

西川幸孝

株式会社ビジネスリンク 代表取締役 
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士

愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員

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