【専門家の知恵】人生を哲学しながら生きよう

公開日:2024年1月7日

 

人生を哲学しながら生きよう


<株式会社WiseBrainsConsultant&アソシエイツ 代表取締役 大曲義典 社会保険労務士事務所 所長 大曲義典/PSR会員>

今回の論考は、最近の不確実な社会の中にあって、経営者も就業者も等しく身に付けておきたい「人生を哲学することの大切さ」を考えてみたい。

齢を重ねると様々なことに遭遇するが、最近、「他人様の言動によって自分はとても嫌な思いをしている」と思っている人が幾何級数的に増えているように感じる。

彼らの共通点として「他人様の事は見えても、自分の事になると盲目的になる」「自分を客観視することができない」、あるいは「自分を客観視できているように思い込んでいる」といった特徴が垣間見える。人間は、おしなべて自分が愛おしい存在であるから、他人様より自分に対しての捉え方が無意識のうちに甘くなり、それゆえ自分の事になると盲目的になってしまうのかもしれない。

このような人たちは、必然的に自分の生活環境や人間関係に様々な歪みや不満が生じて来るのだろうなと思う。つまり、「傷ついている人ほど、他人様を傷つけてしまう」「他人様を傷つける人ほど、自分をも傷つけている」ということを理解していないから、常に「他人様の言動によって自分はとても嫌な思いをしている」と感じてしまっているのである。前述のような法則があることに気づかない限り、「いつも他人様のせいにして終わる」人生を歩み、自分の不愉快な感情や不満の拠り所として、自分の言動に目を向ける事はないのだろう。

逆に、そのことに気づけば、自分の言動に注意深くなるから、他人様から不愉快な思いをさせられることが少なくなるだろうし、仮に心ない人から勝手に絡まれたとしても、「全然気にならなくなる」だろう。つまり「自分の人生を楽しいものにするか、つまらないものにするか」は、誰のせいでもなく、自己責任以外の何物でもないのである。

小さな出来事に拘泥しながら、シンプルな出来事をわざわざ複雑にしながら生きているのが人間である。この極めて人間的な生き様から、たまには離れることが必要かもしれない。自分に対する他人様の言動が必要以上に気になってしまうということは、実は「他人様と自分は同じ土俵で相撲を取っている」ということでもある。他人様に振り回され、心が疲弊している人たちに伝えたいことは、他人様が自分に対してどうであろうと、結局人生は「自分がどう考えて生きるか」しかないということである。

もうひとつ哲学したいのは「幸せ」についてである。

幸福の「福」は、衣食住を表すと言う。衣食住がままならなかった時代は、それが満たされるだけで「幸せ」を感じることができた。

しかし、社会が豊かになり、飽食の時代となった現代において、毎日「幸せ」を感じて生きている人が大多数かと言えば、そうとも言えないように思う。

多くの人たちは、物質的な豊かさを満たされれば「幸せ」になれると信じ込んで、お金を得るために日々あくせく働いている。しかし、お金を十分に得たとしても、思ったように「幸せ」は訪れず、こんなはずではなかったと感じる人も多いのではなかろうか。

では、何が「幸せ」に繋がるのだろうか?「幸せ」がお金や物ではないとしたら、私たちはどうしたら「幸せ」になれるのだろうか?

私たちは、いつも他人様からどれだけ価値のある人間だと見られていることを妄想しながら生きている。しかし、本当に自分の「幸せ」を感じるには、自分以外の外に目を向け、その相手をいかに喜ばせることができるか、どうすれば満足してくれるか、を常に考え、行動することが最も大事なことではないかと思う。そして、その結果が稀にでもフィードバックされたときにこそ「幸せ」を感じることができる。少なくとも筆者はそうである。

下図は、10年以上も続けている公立学校の教職員に対するライフプラン相談会のアンケート結果の一部である。稀にではあっても、このような感謝の言葉が寄せられれば、本当に「幸せ」な気持になるものである。

このように、「幸せ」は自分の身の回りの様々な人間関係が導く。他人様の存在を疎ましく思うのではなく、誰しもが精一杯の人生を歩んでいるリスペクトすべき存在である、と思うことがまずは大切である。そして、そのような環境の中で、他人様への利他的な思いや行動に注力すれば「幸せ」を誘うことができる。時には、行き違いや思い違いで違和感を感じることもあるだろう。しかし、それは些細な出来事に過ぎず、本質的な問題ではない。

これとは反対に、自分の欲望に駆られ、他人様に思いを致したり、他人様のために行動することができない人は、たとえ物質的な豊かさに恵まれたとしても、心は貧相なままに、寂しさに包まれた人生を過ごすことになるだろう。そして、自分の内なる「幸せ」が訪れることもないだろう。

社会、あるいは組織がギスギスした時代であるからこそ、このように哲学しながら人生を歩んでいくことに価値を見出したい。

 

プロフィール

大曲 義典

株式会社WiseBrainsConsultant&アソシエイツ 代表取締役(http://www.wbc-associate.co.jp/) 

大曲義典 社会保険労務士事務所 所長

関西学院大学卒業後に長崎県庁入庁。文化振興室長を最後に49歳で退職し、起業。人事労務コンサルタントとして、経営のわかる社労士・FPとして活動。ヒトとソシキの資産化、財務の健全化を志向する登録商標「健康デザイン経営®」をコンサル指針とし、「従業員幸福度の向上=従業員ファースト」による企業経営の定着を目指している。最近では、経営学・心理学を駆使し、経営者・従業員に寄り添ったコンサルを心掛けている。得意分野は、経営戦略の立案、人材育成と組織開発、斬新な規程類の運用整備、メンヘル対策の運用、各種研修など。

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