固定資産の修繕費の取り扱い(資本的支出と修繕)
<税理士 田中利征>
1.原則
固定資産に対してその資産の使用可能年数を延長させる支出・資産価値の増加を伴う支出は、資本的支出と呼ばれます。資本的支出は原則として資産とされ、その後の減価償却を通じて費用化していくことになります。
具体例をあげれば、木製サッシからアルミサッシへ建具を取り替える工事で、その総費用が500万円かかるとします。その際、木製サッシから木製サッシへの取替であれば費用が350万円なら、その超過額の150万円は木製からアルミへと資産価値の増加を伴う支出に該当することとなり、資本的支出とされます。
本例では、取替え工事費用500万円のうち、350万円が修繕費として交換した年度の費用となります。修繕費のように交換年度の収益に対する費用となるものを収益的支出と呼びます。他方150万円部分は資本的支出とされるため、資産として計上されその後減価償却を通じて費用化していくことになります。