HOME 実務解説 就業規則・労務問題 平成22年度 残業代不払いでの是正支払総額は123億円超

平成22年度 残業代不払いでの是正支払総額は123億円超

1.結果の概要について

 賃金不払残業(いわゆるサービス残業)について、全国の労働基準監督署が労働基準法に違反していると是正指導した事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の平成22年度における状況が取りまとめられ、厚生労働省から公表されました。
 今年は昨年よりさらに増えました。  詳しくは、以下のとおりです。

是正企業数 1,386企業 (前年度比 165企業の増)
是正金額 123億2,358万円 (同 7億2,060万円の増)
対象労働者数 11万5,231人 (同 3,342人の増)

業種の傾向として、企業数、支払われた割増賃金額では製造業、対象労働者数では商業が最も多い結果となりました。

2.厚生労働省が公表している賃金不払い残業の是正事例

<事例A(小売業、約200人、北海道・東北)>
 会社は、始業・終業時刻をタイムカードにより確認しているとしていたが、監督署が会社の機械警備記録等を調査したところ、タイムカードの最終打刻者の退勤時刻と警備開始時刻に大幅な相違が生じていた。
 そこで、会社からの事情聴取などの結果、所定労働時間終了後に、労働者にタイムカードを打刻させた後で時間外労働を行わせていたことが確認された。

 監督署は、確認した賃金不払残業について是正勧告するとともに、
 ① 全社的な実態調査を行い、賃金不払残業が明らかになった場合には適正な割増賃金を支払うこと、
 ② 賃金不払残業の再発防止対策を確立し、実施すること  を指導しました。

3.賃金不払い残業とは?

いわゆる「サービス残業」のことをいいます。 所定労働時間外に労働時間の一部または全部に対して所定の賃金または割増賃金を支払うことなく労働を行わせることをいいます。

4.企業としての対応策は?

 労働基準法違反がないよう、日頃から、労働時間を適正に把握して、時間外労働を行う必要がある場合には、36協定の締結・届出、割増賃金の支払いといった手続きを適正に行う必要があります。
 さらに、あらゆるトラブルに対応できるよう就業規則を整備しておくことが重要です。
 不安があれば、お気軽にご相談下さい。「転ばぬ先の杖」が大切です!

5.監督署の調査が入ったらチェックされるところは残業代だけ?

そんなことはありません。 残業代以外にも、
◆有給休暇は与えているか?
◆労災が起こらないように、安全に配慮しているか?
◆健康診断は定期的に行っているか。診断結果はあるか?
◆長時間労働が行われていないか?
◆就業規則はきちんと備え置かれているか?
等についても、チェックされます。 これらについても、きちんと準備をしておく必要があります。 また、社員の方に健康に長く働いてもらうためにも、必要最低限整備しなければならないものであるとも言えます。 監督署対策だけではなく、会社がこれから成長するためにも、しっかりと備えておきましょう。

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