【専門家の知恵】非正規社員の賞与・退職金について

公開日:2019年6月27日

<合同会社DB-SeeD 代表  神田橋宏治> 

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、健康面でのメリットデメリットがよくわかっていないままリモートワークの導入、という急激な「働き方改革」が推し進められることとなりました。今回はリモートワークの心身に対する影響とその対処法について、現在までに分かっていることをご紹介します。  

 

自宅が職場であることのデメリット

  リモートワークの最大のメリットは通勤ストレスからの解放です。都市部では通勤時間の平均が40分以上です。リモートワークでしたら長時間満員電車に揺られるということなく、始業ぎりぎりまで寝ていることも可能です。このため、リモートワーク導入直後は「体が楽になった」と評判が大変良いのですが、時間の経過とともにデメリットが顕在化してくるようです。

 まず自宅が仕事場であること自体の問題があります。オフィスであれば適切な高さと面積の机があり、明るさも700-1000ルクスあります。パソコンのコードに足が引っかかる危険がないか、といった職場環境のチェックが日常的に行われますし、業務用の空調設備により厚労省令で定められた二酸化炭素濃度1000ppm以下が保たれています。

 自宅で作業するとなると、このような作業環境を維持することは困難です。ちゃぶ台に座椅子という腰痛の原因になる「禁忌」の働き方をせざるを得ない人もいますし、自宅の照度は300ルクス程度と圧倒的に不足しています。足元の安全性確保なども自宅では限界があります。実際自宅作業中にトイレへ行こうとして転倒・骨折し、労災を認められた例もあります。また、自宅の場合二酸化炭素濃度が数千ppmまで上昇することもあり、仕事の能率を著しく下げます。

 その他に、自宅にいるために日中の喫煙や飲酒につながりやすいという問題も発生しています。

 会社が自宅を作業上に指定しているわけですから、各自宅の作業環境を会社として管理しなければなりません。法令を遵守するためには各家庭を訪問し作業環境を確認する必要が生じます。が、これは当然ながら労力的にも、また従業員のプライバシーの侵害という点からも難しいです。どのように対応するべきか、今後の知見に期待するところです。 

 

労働者が感じているリモートワークに伴う4大問題

 内閣府の会議によると、リモートワークに関して労働者が感じている主な問題は、1.コミュニケーション問題 2.仕事とプライベートの区別の問題 3.長時間労働問題 4.運動不足問題の4つです。それぞれについて解説します。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/koyou/20201012/201012koyou05.pdf

1.コミュニケーション問題 
 ちょっとした質問や雑談等などの日常的なコミュニケーションの欠如は、特に新入社員・中途採用社員・異動直後の社員の孤独感、孤立無援感の原因になり、休職や離職のリスクを高めます。さらには上司などの周囲の人がそのメンタルの変化に気づきにくいというのもリモートワークの欠点です。これを補う方法として私が実際に知っている成功例としては、課単位で全員ウェブ会議システムの顔出しで仕事をする(ただし「見張られているみたいでいやだ」という従業員もいます)、課長がチャットで声かけを行う、毎日15分程度の朝礼、週に1回課長との5分間の1対1ショートミーティング、2週に1回のリアルのミーティングの導入などがあります。

2.仕事とプライベートの区別の問題 及び 3.長時間労働問題
 仕事とプライベートの区別がつけにくく、仕事が生活に侵食するという問題も挙げられています。生活リズムの乱れや長時間労働を引き起こしやすいだけでなく、夜中でも上司からメールが入ってきて気が休まらないことも大きな問題とされています。始業時間には身支度を整えてパソコンに向かい終業時間になったらパソコンを閉じるという指導や、「つながらない権利」(業務時間外は上司から部下への連絡を禁止する)の導入がお勧めです。

4.運動不足問題
 一方身体面については明らかな運動不足を自覚している方が多くいます。出勤するだけで知らず知らず体を動かしていたのが一気になくなるので、体重の増加等をきたす従業員が増えます。動脈硬化性疾患のリスク因子(喫煙量増多、HbA1C上昇、血圧上昇、LDL-コレステロール増加等)が増えていると推察されます。健康診断の結果によっては、会社として食事、運動、定期指導などの対策を考える必要が生じることもあるでしょう。その際はぜひ産業医や保健師にもご相談ください。

  

プロフィール

合同会社DB-SeeD(https://industrial.doctor.tokyo.jp/)代表
神田橋宏治
 

 

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