【専門家の知恵】融資に関するQ&A

公開日:2022年4月27日

 資金は会社の生命線です。経営者は必要な資金を、タイミングを計りながら金融機関からの融資で調達しています。本稿では、融資に関して経営者の方からよく尋ねられる内容をQ&A形式にしてまとめてみました。

 

Q1.融資の申し込み順序は、 「大手」と「小規模」のどちらから?

A1.小規模金融機関は、 大手金融機関に比べて、融資審査のハードルが低いです。はじめに小規模に融資の申し込みをして断られたら、その後大手へ行っても融資が受けられる可能性は低いでしょう。そこで、まず大手へ融資を申し込んでみます。運悪く断られたら、今後の経営改善に活かしたいと話して、断られた理由を聞いてみることです。

 断られた理由に対する対策をとり、次は中位へ申し込んでみます。そこでも万が一断られたら、同様に理由を聞いて対策をとり、最後に小規模へ相談に行くのです。融資審査のハードルが低い下位の金融機関へ行けば行くほど、融資に必要な資料の質は向上していくことになるため、融資が実行される確率はとても高くなるわけです。

 

Q2.融資に有効なアピール方法はあるのか?

A2.融資の審査は、決算書を中心とした資料で行います。そこで、自社の評価をあげると思われる資料を少しでも多く銀行へ提出しておくことです。例えば、業界団体から受けた表彰状のコピー、地元経済誌の取材記事のコピー、経営改善計画とその実施状況、予算達成度のわかる管理資料、月次試算表などがあります。

 大切なのは必ず有形資料として提出することです。口頭で一生懸命に自社をアピールしても、その情報はメモ書きなどの記録としては残りません。そのため、融資審査の現場に伝わることはなく、その場限りの単なる雑談で終わってしまうのです。

 

Q3.「融資は業績がいいときに受けろ」とはどういうこと?

A3. 業績が落ちてきた時と登り調子の時、どちらの方が融資を受け易いかは説明するまでもないでしょう。好業績の時には、金利負担がもったいないと融資を嫌う会社は多いです。しかし賢い会社は、借りやすい状況の時に借り、返済実績を次々と積み上げていくのです。

 いざ融資が必要な状況に直面したら、過去の返済実績がものをいいます。金利の支払いは、納税同様に金融機関に対する信用の積み上げという側面があるのも事実です。

 

Q4.一行に絞った深いお付き合いは融資に有利か?

A4.メインバンクもいつM&Aで消えるかわかりません。あるいは取引のある支店をいつ閉鎖するかもわかりません。もしそうなると、これまでメインバンク(支店)に対して築き上げてきた信用は全てゼロになってしまいます。メインバンク一行主義は非常に危険であり、複数行とのお付き合いが安全です。

 他行と付き合うなんて八方美人みたいで嫌いだ、という中小企業の経営者の方もいます。しかし、メインバンクは、経営者が忠誠を示しても喜んではくれません。むしろ、一行だけの単独融資にリスクを感じているかもしれません。メインバンクに資金を断たれたら会社は直ぐに倒れます。メインバンクオンリーは極めてリスクが高いと言えます。

 

Q5.どうしても返せない、でもリスケは信用をなくすからしない方がいいの?

A5.リスケジュール(略して、リスケ)とは、金融機関に借入条件の変更(減額)を要請することです。リスケを行うと信用がなくなり、現在の借入を完済するまでは新たな融資を受けられなくなる可能性は高いです。

 確かにリスケには大きなマイナス面があります。が、月間の収支を十二分に検討してみて本当に返せない状況なら、直ぐにリスケを行うべきなのです。リスケを行う場合、必ず経営改善も実行してください。赤字体質を黒字体質へと転換できない限り、リスケをしてもいずれ会社は倒れます。

 なお、銀行からの借入を返済するため、より高利な資金の融資を受ける会社があります。これは絶対にしてはいけないことです。なぜなら、低利でも返済できないのに、高利で返済できる訳がないからです。

 


執筆者

税理士 田中利征

税理士、経営財務コンサルタント/田中税務会計事務所長/企業家サポートセンター 代表/戸田市経営アドバイザー


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