「こども未来戦略方針」案を提示 児童手当の拡充や年収の壁への対応などを盛り込む 財源はひとまず徹底した歳出改革等で(こども未来戦略会議)

公開日:2023年6月2日

 首相官邸において、令和5年5月31日、「第5回 こども未来戦略会議」が開催されました。

 今回の会議では、「こども未来戦略方針」案が提示されました。

 この日の議論を踏まえ、議長である岸田総理は、次のようにコメントしています。


●今回の戦略の基本的考え方として、「経済成長実現との両立を図り、若者・子育て世代の所得を伸ばすこと」と「スピード感」が重要。

●次元の異なる少子化対策としては、「若い世代の所得を増やす」、「社会全体の構造・意識を変える」、「全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する」。この3つを基本理念として抜本的に政策を強化する。

●少子化対策の財源は、まずは徹底した歳出改革等によって確保することを原則とする。
 全世代型社会保障を構築する観点から歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算を最大限活用する。
 このことによって、実質的に追加負担を生じさせないことを目指す。

●経済成長の実現に先行して取り組みつつ、歳出改革等を複数年にわたって積み上げていくことで安定財源を確保していくが、2030年の節目に遅れることがないように、少子化対策は前倒しで速やかに実施する。

その間の財源不足にはこども特例公債を発行する。


 「こども未来戦略方針」案では、多数の少子化対策の方向性が示されていますが、報道などで話題になっているのは、次のようなものです(抜粋)。

□ 児童手当の拡充

所得制限の撤廃、支給期間の高校卒業までの延長、多子加算の見直し(第三子以降3万円)などの児童手当の拡充を図る(2024年度中に実施できるよう検討)。

□ いわゆる「年収の壁(106 万円/130 万円)」への対応

当面の対応として、被用者が新たに106万円の壁を超えても手取り収入が逆転しないよう、労働時間の延長や賃上げに取り組む企業に対し、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、必要な費用を補助するなどの支援強化パッケージを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。

□ 男性育休の取得促進

給付面の対応として、いわゆる「産後パパ育休」(最大28日間)を念頭に、出生後一定期間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、給付率を現行の67%(手取りで8割相当)から、8割程度(手取りで10割相当)へと引き上げる(2025年度からの実施を目指して、検討を進める)。など

□ 雇用のセーフティネットの構築

現在、雇用保険が適用されていない週所定労働時間20時間未満の労働者についても失業給付や育児休業給付等を受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向けた検討を進める(2028年度までを目途に施行する)。


 急がなければならないのはわかりますが、財源が気がかりですね。今後の動向に注目です。

 詳しくは、こちらをご覧ください。

<第5回 こども未来戦略会議/首相コメント>
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/1kodomo.html

<第5回 こども未来戦略会議/資料>
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai5/gijisidai.html

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