
医療機関・介護施設の給与&人事
病院や介護施設に最適な等級制度~複線型等級制度とは
<AIP経営労務合同会社 代表 大澤 範恭>
複線型等級制度とは、職員の多様な価値観やキャリア像に応えるため、管理職を目指すコースや専門性を追求するコースなど、複数の昇進・昇格ルートを並立させる人事制度です。
従来の単一的なルートでは困難だった、ポスト不足による昇進の停滞解消や、専門職の適正な評価を実現します。職員の自律的な成長を促し、納得感のある処遇を通じて、人材の定着と組織力の強化を図る重要な仕組みです。
1.複線型等級制度の定義と背景
「複線型等級制度(複線型人事制度)」とは、組織内に複数のキャリアパスを設け、多元的な人事管理を行うシステムを指します。
一般企業での「総合職」と「一般職」といった区分に近い概念ですが、病院や介護施設においては、職務の専門性や役割の多様性に合わせて設計されます。
導入の背景には、職員の「価値観の多様化」があります。将来的に管理職(マネジメント)として組織運営に携わりたいと考える職員がいる一方で、特定の分野で専門性を活かしたいと願う者や、一般職として安定して働き続けたいと考える者も存在します。
また、病院や介護施設は一般企業に比べて管理職のポストが限られているため、単一のルートでは昇格の機会が制限され、職員のモチベーション低下を招くという構造的な課題がありました。
2.代表的な3つのキャリアコース
一般的に、複線型等級制度では以下の3つのコースが検討されます。
プロフィール
大澤 範恭(おおさわ のりやす)
AIP経営労務合同会社 代表(https://www.aip-sr.jp/)
認定登録医業経営コンサルタント、特定社会保険労務士、行政書士
国際コーチング連盟(ICF)ACC(アソシエイト認定コーチ Associate Certified Coach)
(公社)日本医業経営コンサルタント協会埼玉県支部理事
埼玉県医療勤務環境改善支援センター医業経営アドバイザー
1982年 東京大学法学部卒業、厚生省(当時)入省
2017年 35年間在職した厚生労働省を退職
2018年 AIP社会保険労務士・行政書士事務所を開業
2019年 AIP経営労務合同会社を設立、医療・介護専門の人事・労務コンサルティングに従事
著書「医療機関・介護施設の”給与&人事“改革マニュアル(令和7年12月発刊 医学通信社)」
「医師の働き方改革実践ハンドブック(令和4年7月発刊 日本法令)」
「医師の時間外労働規制 関係法令通達集(令和5年10月発刊 日本法令)」










