広く人事制度という場合は、会社が社員の採用から退職までのプロセスを管理するために設けた仕組みのことを言います。具体的には、採用、等級、評価、昇格昇進、昇給、賞与、福利厚生、退職までを統一的に管理するルールです。
本稿では、採用および福利厚生、退職を除いた「人事(賃金)制度」を範疇とし、全8回シリーズで解説していきます。
「人事(賃金)制度」を構成する3つの柱
「人事(賃金)制度」とは、具体的には以下の内容になります。
(1)等級制度
社員の役職や職務内容、職務遂行能力等に応じて、等級(職階)を定める制度で、賃金や役割分担を決める基本的な指針となります。
(2)評価制度とその運用
社員の能力や業績を公平に評価する基準を設け、賞与支給時に合わせ、自己、一次、二次評価、結果のフィードバックなどをシステム的に行う方法を決めます。そして、その評価結果を昇格降格、昇進降職、昇給降給、賞与決定へ反映させます。
(3)賃金制度
社員の基本給、賞与、昇給、手当など、入社から退職までの賃金体系を決めます。
人事制度の重要性と経営への影響
プロフィール
寿限無(じゅげむ)経営コンサルティング 代表 福田惠一
金融機関にて営業・融資を担当後、同総合研究所で人事金制度構築コンサルの経験を積み、退職後「寿限無経営コンサルティング」を開業。上場会社総務顧問も経験。経営の観点と社員の双方にとっての望ましい労使関係構築支援のため、人事・賃金・考課制度の整備、人事労務トラブル対応、紛争予防のための社内規程整備、マネジメント研修・ハラスメント研修等社員各層への研修、各種助成金申請支援等に注力。