【専門家コラム】[前編]給与担当者向け:住民税決定通知書の実務 ~確認から納付まで~

公開日:2025年6月9日


 

[前編]給与担当者向け:住民税決定通知書の実務 ~確認から納付まで~

 


<わく社会保険労務士事務所 社会保険労務士 和久 明/PSR会員

 

6月に入り、全国の会社の給与担当者にとって大切な作業である、新年度の住民税の給与天引きに関する事務手続きが本格化しています。5月に各市町村から送られてくる住民税決定通知書の確認から始まって、従業員への通知、給与からの天引き、そして市町村への納付まで、限られた期間で正確な対応が求められる重要な業務です。

この記事では、住民税の給与天引き事務について、実務で役立つポイントを整理しました。6月にきちんと処理しておかないと、後日、市区町村から個人住民税の督促状が届き慌てるような事態になることも。今のうちから漏れなく対応しておきましょう。

 

関連記事

 

 

 

住民税の特別徴収制度と税額決定のしくみ

住民税の給与天引きは、従業員の住民税を会社が給与から差し引き、市区町村に代わって納める制度で、地方税法により定められています。法律上、従業員のことを「納税義務者」といい、会社のことを「特別徴収義務者」といいます。

「特別徴収義務者」という名称の通り、会社が従業員の給与から住民税を天引きして納付することは、法で定められた義務です。したがって、市区町村から送られてくる税額決定通知書の通りに一連の手続きを行うことを、会社は求められているわけです。

従業員の住民税の税額は、当年1月に会社が市区町村に提出した給与支払報告書、つまり、昨年1月から12月までの収入をもとに計算された年末調整の結果をもとに、市区町村で計算され、会社に通知されます。給与支払報告書の提出後、従業員が個人で確定申告をした場合は、確定申告が優先されます。

市町村から送られてくる住民税税額決定通知書には、会社が給与計算に用いる「特別徴収義務者用」と従業員に通知するための「納税義務者用」の両方が含まれています。「特別徴収義務者用」には、住民税の税額、年税額を原則12分割し、6月から翌年5月までの12か月で1か月分ずつ給与天引きし、納付するよう記載があります。年税額を12分割して出た端数は6月に上乗せされ、7月から翌年5月までの住民税額は原則同じとなります。所得が少ない場合は、6月のみ、あるいは6月から7、8月までで納付すべき税額をすべて天引きし終える場合もあります。

税額決定通知書(特別徴収義務者用)の見方を紹介している市区町村のホームページもあります。以下は足立区の例です。指定番号とはどのような特に使うのかなど、参考になります。

 

出典:足立区ホームページ

 

決定通知書が届いたらすべきこと

1.届くべき通知書が届いているか、来ないはずの通知書が届いていないかを確認

住民税税額決定通知書が届いたら、最初に行うのが全体的な確認です。まず、通知書に載っている従業員全員の名前をチェックしましょう。給与支払報告書を提出した全ての従業員について、対応する通知書が届いているかを確認します。

>>>後編に続く

 

プロフィール

和久 明 わく社会保険労務士事務所(https://waku-sr.com

小規模な専門書出版社で勤務ののち、社員15万人超の運輸業で社会保険手続き・給与計算・年末調整・業務改善・ライフプランセミナー講師を15年以上にわたり経験。
自身が出版社勤務時代、育児休業制度を知らず取得できていないことから、「知らない人に制度を広めたい!」と社会保険労務士を志す。いつも忙しく手が足りない中小企業の、法改正のキャッチアップ&フォロー、社員の働きやすさ実現、業務の見える化支援に取り組んでいる。東京社会保険労務士会会員。
両立支援コーディネーター、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。


「その他手続き・申請」関連記事

「日常の労務手続き」に関するおすすめコンテンツ

ピックアップセミナー

オンライン 2026/03/26(木) /13:30~16:30

給与計算 手順とチェックから学ぶ!見落とせない実務ポイント

講師 : 西本 佳子 氏

【2名以上割引あり!】
業務の“見える化”とタスク管理の改善につながるノウハウを、実務の流れに沿って解説。
特典のExcelチェックリストで工程や注意ポイントを一目で把握でき、手順の整理・属人化防止にも活用可能。チームで取り組むことで、所内全体の業務精度と効率が大きく向上します。給与チームで参加することで課題と役割を共有し、実務改善の第一歩を!

DVD・教育ツール

価格
52,800円(税込)

裁判例をもとに、パワハラの境界線とグレーゾーンを整理し、管理職が現場で迷わず判断できる力を養う研修DVDです。指導として許される言動と問題となる言動の違いを具体事例で解説し、管理職ごとの判断のばらつきを防止。講師はハラスメント案件に精通した弁護士・佐久間大輔氏。全管理職研修や再発防止研修など、繰り返し活用できる実務直結型の教材です。

価格
5,500円(税込)

かいけつ!人事労務では、法改正対応や従業員への周知、教育・啓蒙等に活用できる小冊子を販売しています。

通常は各種10冊1セットの販売となりますが、実際に手に取って中身を見て導入するかどうかを検討したいといったご要望に応え、小冊子を1冊ずつ、計7種類のセット商品をご用意しました。

おすすめコンテンツ

TEST

CLOSE