
新入社員の意識変化が問う人事制度、「安心」と「成長」の両立がカギ
<株式会社WiseBrainsConsultant&アソシエイツ 代表取締役 大曲義典 社会保険労務士事務所 所長 大曲義典/PSR会員>
新入社員が年功序列を望む深層心理
学校法人産業能率大学総合研究所が実施した2025年度の「新入社員の会社生活調査」は、日本企業の進むべき道に一つの大きな課題を投げかけた。「年功序列的な人事制度と成果主義的な人事制度のどちらを望むか」という毎年の定番の設問に対し、驚くべき結果が示されたのだ。
調査で「年功序列」または「どちらかといえば年功序列」を望むと回答したのは、回答者全体の56.3%であった。これは「成果主義」または「どちらかといえば成果主義」の43.6%を上回り、調査開始以来初めて過半数を占めるという、まさに時代の転換点を示す結果となった。長らく「旧態依然」の代名詞となり、90年代以降、見向きもされないことが多かった「年功序列」が、新しい世代によって再評価されたのである。
この結果について、単に「最近の若者は保守的で安定志向が強いから」で片付けるのはあまりにも短絡的であろう。終身雇用制度の崩壊が叫ばれ、実力主義が時代の潮流とされてきた中で、なぜ若者は旧来の制度に回帰するのであろうか。彼らが求める「年功序列」とは、単なる「楽」や「逃げ」なのだろうか。その背景には、現代社会の構造的な変化と、VUCAな時代を生きる若者特有の切実な心理が隠されているように思えてならない。
プロフィール
大曲 義典
株式会社WiseBrainsConsultant&アソシエイツ 代表取締役(http://www.wbc-associate.co.jp/)
大曲義典 社会保険労務士事務所 所長
関西学院大学卒業後に長崎県庁入庁。文化振興室長を最後に49歳で退職し、起業。人事労務コンサルタントとして、経営のわかる社労士・FPとして活動。ヒトとソシキの資産化、財務の健全化を志向する登録商標「健康デザイン経営®」をコンサル指針とし、「従業員幸福度の向上=従業員ファースト」による企業経営の定着を目指している。最近では、経営学・心理学を駆使し、経営者・従業員に寄り添ったコンサルを心掛けている。得意分野は、経営戦略の立案、人材育成と組織開発、斬新な規程類の運用整備、メンヘル対策の運用、各種研修など。










