マイナンバーを記載する税関係書類作成の際に注意するポイント

公開日:2015年7月14日

① 保存義務のある書類

 

 税関係の書類は2016年1月1日以降、マイナンバー(個人番号)を記載して提出しなければなりません。

(一部の書類は一定期間の猶予があります。)
そのうち個人番号が記載された書類で会社に原本の保存義務があるのは、

「年末調整関係の申告書(扶養控除等異動申告書や保険料控除申告書など)」と「退職所得申告書」です。
支払調書については、税務署への報告義務はありますが保存義務はありません。

また、支払先に交付する義務もありません。

実務上は支払調書を支払先に渡しているという会社も多いのですが、その際には個人番号を記載していない支払調書をお渡ししましょう。

 

② 従業員や支払先に交付しなければならない書類作成のポイント

 税法上、本人に対して交付義務のある源泉徴収票・支払通知書については、従業員と扶養親族・支払先の個人番号は記載して発行し、支払者である会社や個人事業主の法人番号または個人番号は記載しません。(番号法19条)

◇税法上、本人に対して交付義務のある法定調書(支払通知書)
● 給与所得の源泉徴収票
● 退職所得の源泉徴収票
● 公的年金等の源泉徴収票
● 配当等とみなす金額に関する(支払通知書)
● オープン型証券投資信託収益の分配の支払調書(支払通知書)
● 上場株式配当等の支払に関する通知書
● 特定口座年間取引報告書

 

③ 財形貯蓄の扱い

 財形貯蓄の仕組みがある会社でのマイナンバー法での扱いについては以下のような対応になります。

一般財形貯蓄は源泉分離課税となっていますので、個人番号を記載して提出する調書というものが存在しません。

調書の提出の必要がないので、信託先の金融機関も会社も「一般財形」のマイナンバー事務は行いません。
一般財形以外の財形貯蓄の扱いは以下の回答が特定個人情報保護委員会より出されています。
「個人番号が記載された申込書(財産形成住宅貯蓄・財産形成年金貯蓄の非課税に関する申込書)が、

法令に基づき、勤務先等を経由して金融機関に提出される場合、勤務先等及び金融機関がそれぞれ個人番号関係事務実施者となり、

金融機関は勤務先等に対し個人番号の提供を求めることとなります。

 なお、本人確認の措置は、勤務先等が本人から個人番号の提供を受ける際に実施することとなります。」

(特定個人情報保護委員会ガイドライン Q&A17-8)


④ 源泉徴収票や調書等を控えとして会社で保管する際の注意事項

 保存義務のない個人番号が記載された書類や帳票等を控えとして保管したい場合は、安全管理措置を施して保管し、

法令で定められた期間を超えたら廃棄削除しなければなりません。

管理が複雑にならないよう、自社の対応を決めていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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