【2025年10月】人事労務カレンダー|人事担当者のための記念日×労務・制度トピック
気づけば10月。下半期に入り、業務の推進や制度の見直しが本格化してくる時期ですね。
一方で、この時期は「安全衛生」「高齢者雇用」「メンタルヘルス」など、働く人の健康や安全にまつわるテーマが集中する月でもあります。
そこでおすすめなのが「人事労務記念日カレンダー」。このカレンダーでは、月ごとに押さえておきたい労務・制度関連の出来事を、記念日と関連付けてピックアップしています。
社内コミュニケーションのきっかけや研修のアイデア出し、新たな施策の検討材料などに、ぜひ活用してみてくださいね。
主な啓発月間・週間
高年齢者就業支援月間(10月1日~31日)
近年、少子高齢化が進展する一方、老後生活への不安や健康維持などを理由に、働く意欲のある高年齢者が増えています。
会社に対しては、2021(令和3)年4月施行の高年齢者雇用安定法により、65歳までの雇用確保義務(経過措置あり)に加えて、70歳までの就業確保措置が努力義務となっていましたが、2025(令和7)年4月からは、雇用確保義務の経過措置が終了し、65歳までの雇用確保が完全義務化されるなど、知識・経験の豊富な高年齢者への就業の取り組みがますます求められています。
この期間を活用し、定年後再雇用制度やシニア活躍施策の見直しなど、高年齢者が活躍できる環境の整備を進めてみませんか。
制度の整備には、助成金の活用も検討できますので、コスト面でも支援を受けながら取り組むことが可能です。
>>>関連コンテンツ:小冊子『2025年度版 会社を元気にする助成金活用ガイド』
全国労働衛生週間(10月1日~7日/準備期間:9月1日~30日)
全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善など「労働衛⽣」に関する国⺠の意識を⾼め、職場の⾃主的な活動を促して労働者の健康を確保することを目的として、厚生労働省と中央労働災害防止協会が主唱し、毎年実施されています。
今年度のスローガンは、「ワーク・ライフ・バランスに意識を向けて ストレスチェックで健康職場」です。安全衛生の研修や職場の見回りを通して、みんなで労災を防ぎ、健康に働ける職場づくりを進めましょう。
>>>関連コンテンツ:小冊子『労災事故防止のための10の改善ポイント』
主要な記念日
10月1日:最低賃金改定開始(順次)
最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、会社は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
最低賃金は、賃金の実態調査結果などを参考に最低賃金審議会で決定されており、発効は毎年10月1日~令和8年3月末の間で、都道府県ごとに順次行われます。
給与計算や労働契約、人件費にも影響があるため、人事部内で早めに対応準備を進めておくことが望ましいです。なお、会社には、最低賃金を労働者に周知する義務があります。
>>>関連コンテンツ:【かいけつニュース2025年9月号】最低賃金続報!39道府県で目安超え&年末調整のしかた公表
10月1日:労働衛生週間スタート
労働災害防止や職場の安全点検を実施する好機です。衛生委員会の活動と連動させるとよいでしょう。
10月5日~6日:デジタルの日/10月デジタル月間(デジタル庁)
社内のデジタルツール(チャットやタスク管理、勤怠管理など)の使い方やペーパーレス化のポイントを周知し、デジタルを活用した効率的な働き方を意識してもらう啓発活動を行うのもおすすめです。
マイナンバー管理のチェックなど、情報管理の徹底もあわせて行うとよいでしょう。
10月10日:目の愛護デー(公益社団法人日本眼科医会)
人が体の外から受け取る情報の約80%は目を通じて入るといわれています。それだけに、目は私たちにとってとても大切な器官です。
毎年10月10日は、「1010」を横に倒すと眉と目の形に見えることから、「目の愛護デー」とし、目を大切にする意識を高めるイベントが全国各地で行われています。
社内でも、VDT作業(パソコン業務)に関わる労務管理に直結するテーマとして活用できます。
休憩時間の取り方や目の疲れ防止策、労災防止策とあわせて、目の健康や疲れ目対策を呼びかけることで、従業員の健康意識向上につながります。
10月10日:世界メンタルヘルスデー(世界精神保健連盟)
世界メンタルヘルスデーは、メンタルヘルスへの認識を高め、偏見をなくし、正しい知識を広めることを目的として、1992年に世界精神保健連盟によって定められました。
その後、世界保健機関(WHO)も協賛し、正式な国際デー(国際記念日)と認められています。
人事労務の視点では、この日をきっかけに社内でメンタルヘルスに関する情報共有や相談窓口の周知、ストレスチェックや研修の案内などを行うことが効果的です。
従業員のメンタルヘルス意識を高め、相談しやすい職場環境づくりにつなげる取り組みとして活用できます。