【専門家の知恵】テレワーク、継続すべきか
- 公開日:2022年5月31日.
- 作者: PSR network.
<社会保険労務士法人ステディ 瀧本旭/PSR会員>
ここ数年、ワークライフバランスの推進等、多様な働き方が推奨されていたが、新型コロナウイルス感染拡大により、テレワークが急速に普及した。2021年11月末日現在、新規感染者も減少しており緊急事態宣言も解除されている。このような状況下、テレワークを導入している企業においては、継続するか否かを検討している、もしくはテレワークの頻度を減少する動きがあるようだ。今後、テレワークをどう扱うのか、改めてテレワークについて、考えてみたい。
◆メリットとデメリット
<メリット>
① 優秀な人材の採用がしやすい
② オフィス賃料、通勤費用の削減
③ 地域に限らず採用が可能
④ DX化や業務改善が推進されやすい
① 採用について
今後も続くであろう労働者の高齢化や人手不足では、テレワークによって通勤可能エリアに限らず採用活動ができることは企業にとってのメリットは計り知れないのではないだろうか。テレワークを経験した従業員にとっても、テレワークを選択できない企業でモチベーション高く働き続けることは難しいかもしれない。
例えば、子育てであったり介護であったり、テレワークによって両立がしやすくなるのは間違いないだろう。
② オフィス賃料、通勤費用の削減について
テレワークの普及率の高い大企業においては、常時出社する社員数が大幅に減少したことで、本社オフィスの売却の動きもある。(テレワークだけが理由ではないだろうが)
大企業に限らずテレワークの普及によって、社員数に比例したスペースは不要となり、また一人一人のデスク等も不要だ。結果、オフィス面積の縮小も可能であろう。
<デメリット>
① コミュニケーションが不足する
② 勤怠管理が難しい
③ マネジメントが難しい
④ 情報漏洩リスク
① コミュニケーションについて
オンラインツールを利用することにより、テレワークにおいても業務自体は問題なくこなすことはできるだろう。
しかし、直接会うことによってこそ生まれる価値というものもあるだろう。それは新たな発想であったり、新たな気づき、他者からの刺激等、目に見えるものではないかもしれないが、見過ごすことはできないだろう。
② 勤怠管理について
テレワーク中は、従業員の出退勤を対面で確認することができずの正確な把握は難しい。その結果、企業としては未払い残業代が発生してしまう等、意図しないリスクを抱えてしまうこともあるだろう。
◆おわりに
新型コロナウイルス感染拡大は収束に向かっているが予断を許さない状況が続いている。
収束後(もしくは、コロナとの共存)の働き方について、現実的にはテレワークをバランスよく組み合わせることが企業にとっても従業員にとっても望ましいのではないだろうか。
改めて、テレワークを行う意義や目的を従業員と共有したり、テレワーク時の評価についても客観性や公平性への十分な配慮も必要だろう。
テレワークは新型コロナ感染拡大で普及が早まったに過ぎず、特別なことではない。企業にとっても従業員にとっても大きなメリットがあることは間違いないだろう。デメリットを把握したうえで、前向きに取り組んではいかがだろうか。
社会保険労務士法人ステディ 代表社員瀧本 旭
https://steady-sr.com/
大学卒業後、自動車ディーラーや社会保険労務士事務所での勤務を経て、2013年10月社会保険労務士たきもと事務所を設立。2018年10月、社会保険労務士法人ステディとして法人化。
ビジョンに、社員の満足度向上あってこそ顧客にベストなサービスを提供できるとの考えから、「働き方満足度日本一の事務所」を掲げている。
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