HOME Q&A 日々の業務の疑問をかいけつ Q&A 就業規則・労務問題 その他 私の会社には労働組合はありません。社員会という組織はあるのですが、「労働者の過半数」というときの「労働者」とはどこまでの社員を指すのでしょうか? 会社役員以下の役職者は、全員、社員会に加入しています。

私の会社には労働組合はありません。社員会という組織はあるのですが、「労働者の過半数」というときの「労働者」とはどこまでの社員を指すのでしょうか? 会社役員以下の役職者は、全員、社員会に加入しています。

Q.私の会社には労働組合はありません。社員会という組織はあるのですが、「労働者の過半数」というときの「労働者」とはどこまでの社員を指すのでしょうか?なお、会社役員以下の役職者は、全員、社員会に加入しています。
A.使用者を除く全社員が対象と考えてよいでしょう。
解説

先ず、労働者の定義を考えて見ます。
労働基準法第9条では「この法律で労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所(以下「事業」という。」)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」と規定しています。つまり、労働者とは、使用者の指揮命令下で労務を提供し、その対価として賃金が支払われる者を指します。
注意点としては、正社員のみではなくアルバイトやパート労働者、嘱託社員、契約社員等、名称の如何によらず全労働者が対象となることです。実際に労働者に当たるか否かについては、民法第623条の雇用契約の締結の有無によることとなるでしょう。行政通達でも「過半数代表者を選出する場合の母体となる労働者の中には管理監督者や休職中の者も含む。」とされています(平成11.3.31 基発168号)。 従って、貴社の社員会の加入者に問題ありません。

しかし、その会の代表者を選出する際には一定の要件があります。労働基準法施行規則第6条の2では、以下のように規定しています。
 ア)労働基準法第41条第2項に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
 イ)法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の手続により選出された者であること。

イ)の選出方法は、必ず投票や挙手でなければならないのではなく、話し合い等によって労働者の過半数が、代表として選任していることを支持していれば問題ありません(平成11.3.31 基発第169号)。

以上のことから、例えば、部長(管理監督者に当たることが前提)は社員会に加入することは出来ますが、代表者にはなれないということが言えます。また、「面倒だからあなたがやりなさい。」と先輩社員が後輩社員に押し付けているような場合は民主的手続とは言えず、労使トラブルにでもなれば社員会そのものが否認される場合もありますので、選出にあたっては相応の手続を踏まなければなりません。

尚、労働基準法では、以下のような場合に協定することを求めています。
 (1)貯蓄金の管理(労働基準法第18条の2)・・・要届出
 (2)賃金の一部控除(労働基準法第24条第1項ただし書)・・・要届出
 (3)1ヶ月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2第1項)・・・要届出
 (4)フレックスタイム制(労働基準法第32条の3)・・・届出不要
 (5)1年単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の4第1項)・・・要届出
 (6)1週間単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の5)・・・要届出
 (7)休憩時間の一斉付与の適用除外(労働基準法第34条第2号ただし書)・・・届出不要
 (8)時間外・休日労働(労働基準法第36条)・・・要届出
 (9)事業場外みなし労働(労働基準法第38条の2第2項)・・・要届出
 (10)裁量労働制(労働基準法第38条の3第1項、同4第2項第1号)・・・要届出
 (11)年次有給休暇の賃金の支払(労働基準法第39条第6項ただし書)・・・届出不要
 (12)計画的付与制度(労働基準法第38条第5項)・・・届出不要

届出が必要なものと不要なものがあり、煩雑感は否めません。しかし、どの項目も原則は法違反であり、協定の締結によって罰則の適用を免れるという免罰効果があります。相手方がいないと締結できないわけですから、社員会という組織も重要な役割を果たしています。

コンサルタントからのアドバイス

 労働基準法施行規則第6条の3では、「労働者の過半数を代表する者になろうとしたこと、過半数を代表する者であること、代表する者として正当な行為をしたことを理由として、解雇、賃金の減額、降格等の労働条件について、不利益な取り扱いをしてはならない。」と規定しています。
 過半数で組織するものがなければ、協定すら締結することは出来ません。敵対ではなく、「信頼関係」を保つことが肝要です。 <社会保険労務士 PSR正会員 笹生裕康>